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鎌倉日記24・・・花の寺瑞泉寺

2016年04月07日 17時17分58秒 | 鎌倉日記

                                                鎌倉 瑞泉寺 花だいこん

久方ぶりの晴天で鎌倉へぶらりと出かける。いつもなら満開の桜目当てに北鎌倉の円覚寺から東慶寺、浄智寺を経由して、建長寺そして鶴岡八幡宮のコースを辿るが、今日は人ごみを避けて鎌倉駅からバスで大塔宮終点下車、そこから約1キロ歩いて瑞泉寺へ直行。

瑞泉寺は花の寺としてつとに有名であるが、桜の木は少ないものの、四季折々の花が綺麗な寺である。この季節は花だいこんが境内全体に咲き誇っていた。また、桜見物の喧騒を全く感じない静けさが漂っていた。

花だいこんはアブラナ科の植物で、寺社の境内などによく群生している薄紫色の花。鎌倉では諸葛菜(ショカッサイ)と呼ばれることが多いようである。我が家の一角にも毎年咲いて、私の好きな花の一つでもある。

瑞泉寺境内の木のベンチに座って、鎌倉駅構内のコンビニで買った「よくばりおにぎり」1個を頬張る。普通のおにぎりの2倍の値段だが、鶏肉と味噌の相性が抜群で美味しかった。いつもなら鎌倉丼など観光案内雑誌に載っているようなお店で食べるが、今日は軽く済ませる。

すぐわきに鐘楼が建っていて、その横には評論家大宅壮一氏の「男の顔は履歴書である」という石碑も置かれている。同じベンチに私より少し若い男性が一眼レフ片手に座っていた。おにぎりを食べ終わったところで声をかけてみた。「写真がご趣味ですか?」の問いに、「定年後に始めたんですよ」とのこと。

臆面もなく私の方からいろいろ聞いても、嫌な顔せず答えてくれた。鎌倉の生まれで現在は定年退職して東京に住んでいるそうだ。生まれ育った鎌倉を懐かしみながら、静かなところを選んで一か所の滞在時間をたっぷりとるようにしているという。鎌倉へ来る大部分の人は、お寺へきてもそそくさと見て帰ってしまう。そういうのが嫌だと言っていた。

これから鎌倉日記を充実させたいと思っていたところで、大変いいお話が聞けた。お先にと声掛けして鎌倉駅方面を望むと、新緑がうっすらと見え始めていた。28/4/6



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