熊本県八代市 医王寺 聖観音菩薩(檜一木造・鎌倉後期)
熊本地震発生から10日経つが、いまだに余震がおさまらない。写真の聖観音菩薩を思い出して、被災者の皆さんの無事を願うとともに、地震の鎮静化を祈る。
私が熊本を訪ねたのは11年前、カミサンとハチと一緒に全国行脚を始めた頃で、熊本県八代市の医王寺に立ち寄ったときのこと。その日は夕方暗くなってからの訪問にもかかわらず、ご住職夫婦が気さくに本堂へ案内してくれた。聖観音のあまりの美しさに身震いしたのを覚えている。
定年後の今年4月、九州へ夫婦で10日ほどの旅行を計画していた。たまたまボランティアの神奈川少年友の会活動や、絵本工房作品制作の予定が入っていて5月に延期したものの、もし行っていたら地震に遭遇したかもしれない。
南阿蘇村の宿泊施設で、香川県のご夫婦が土砂崩れで行方不明になり死亡が確認された。確かご主人が42歳、奥さんが37歳の若さだった。不運としか言いようがないが、ご親族の人たちの落胆、悲しみははかりしれないであろう。
人生いつどこで何が起こるかわからない。仏教の教えで「諸行無常」といえども、観音力も自然の猛威には勝てないのだろうか。
観音経にある経文を唱える。
雲雷鼓掣電(うんらいぐせいでん) 降雹澍大雨(ごうばくじゅだいう) 念彼観音力(ねんぴかんのんりき) 應時得消散(おうじとくしょうさん)
<訳> 雷鳴とどろき、雨あられ降りしきるとも、観音を念ずればただちに鎮まる。
衆生被困厄(しゅじょうひこんやく) 無量苦逼身(むりょうくひっしん) 観音妙智力(かんのんみょうちりき) 能救世間苦(のうくせけんく)
<訳> 人々よ、災いに会い、苦悩に堪えかねても、観音の智慧は必ず世間の苦を救う。
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