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少年事件

2014年10月03日 10時26分56秒 | ハチパパのひとり言

今日の朝日新聞朝刊17面、「少年事件を考える」を読んで感じたことを書いてみる。

近年、凄惨な少年犯罪が目立つのは確かだ。最近では、長崎県佐世保市の高1女子による同級生殺害事件、北海道南幌町の高2女子による母親・祖母殺害事件などがある。

「少年事件を考える」には、1997年神戸で起きた小学生連続殺人事件の少年審判を担当した元裁判官で弁護士の井垣康弘さんと、児童精神科医で岐阜大学教授の高岡健さんへのインタビュー記事が掲載されていた。

井垣さんの記事タイトルは、「捨てられた」感じさせるな。高岡さんの記事タイトルは、「一人でも大丈夫」と示そう。お二人のお話の内容は、実体験にも長けた鋭い分析と、社会が今なすべき緊急なこととして適切な提言をされており感銘を受けた。

井垣さんは最後に、「日本では離婚や再婚に伴う「虐待」が平然と多量に行われていることをまず自覚しなくてはいけないと思います。」と話されている。

私自身、現役の家事調停委員として離婚の調停などを担当しているが、親だけの感情で安易に離婚する夫婦が後を絶たない。つい先日の離婚調停で、「養育費は要らないから(父親に)会わせない」とか、「会わせるなら父親と言ってほしくない」と主張するお母さんがいた。会わせないわけにもいかないし、父親と言わせないなどとは子供のためにならないと、当事者を落ち着かせて穏やかに諭す場面もあった。ちなみに、父親が「親権を譲るなら養育費を払わない」などと主張する場面も時々みられる。可哀想なのはいつも子供である。

離婚家庭急増の現代、調停離婚はほんの一部で、養育費をもらっていない母子家庭も多いと思われる。養育費は離れて暮らす父親と子の絆であり、子供にとって面会交流とともに、「捨てられた」感じを持たせない大切なものである。

今月半ばに行われる高1少年の傷害事件審判に、親代わりの付添人として出廷することになっている。付添人としては二度目だが、今回も離婚家庭で育った少年で、父親の再婚に伴う義母との確執などで孤立化してしていった少年の姿が浮き彫りにされた。

少年の気持ち、心の呻きに耳を傾け、「捨てられた」のではない、「一人でも大丈夫」とどこまで示せるかわからないが、少年の将来に一筋の光が見いだせるよう務めたい。



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