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自殺者3万人超

2009年12月28日 10時48分58秒 | ハチパパのひとり言


警察庁の集計によると、11月末までの自殺者が男性約2万1600人、女性約8600人で、12年連続で3万人を超えたとの新聞記事に眼がとまる。
今年8月まで前年比3~8%増加だったのが、9月以降前年を下回ってきているものの、昨年のリーマンショック以降の不況で、未だに失業者が増えていることが大きな要因であると言われている。同じ新聞の一面には、11月の失業率5.2%と更に悪化しているという記事が載っていた。まだまだ長引くと思われる不況に、これからの日本はどうなっていくのか気がかりなことが多い。

私はいま65才。蓄えは乏しいものの、ありがたいことに食うには困らない程度の年金をもらっている。この年まで何とか収支のバランスが保てて、お金の苦労はなかった。この年になって借金がないだけでも幸せなのかもしれない。

お金に纏わる仕事を長年してきた。住宅金融公庫とか銀行の住宅ローンなどが延滞して苦しんでいる人を沢山知っている。差押、供託、破産宣告、不動産競売などの仕事を通じて、様々な人生の修羅場に出会うたびにやりきれない気持になった。親しくしていたお客様が、保証人になっていた相手が倒産して債務を背負い込み、自宅を差し押さえられて思い悩んだ末に自殺、その翌日奥さんが後追い自殺したということもあった。一般的に公庫や住宅ローンには、団体信用生命保険というのが付いている。自分の命と引き換えに、妻子に家だけは残してあげたいという人も少なくないと思う。(当時、自殺による団体信用生命保険支払が全体の15%を占めるというデータがあった)
それはそれとして残った家族の経済的な負担は軽くはなっても、心の傷はなかなか癒えないと思う。生きていて欲しかったと思う。しかし、冷静にそう言えるのは自分が第三者だからなのかもしれない。

最近は介護に疲れて心中、自殺する人も増えているという。認知症の家族を自宅で介護している家も多いと聞く。明日はわが身と思いつつ、蓄えもしてこなかった自分は、カミサン頼みのざまである。出来れば介護を必要としないで死にたいものである。

私も23年前、うつ状態になって死にたいと思ったことがある。薬に頼らず1ケ月で職場復帰できたが、あの時もしも自殺していたら、今の幸せはなかったし、家族の人生までもメチャメチャにしてしまっていたかもしれないのである。思いとどまったのは、二人の息子を大学出すまでは頑張ると、亡き妻に誓った言葉だった。
<詩編 幻のノート>
http://blog.goo.ne.jp/goo3595628/e/0d6d60afc40cc5a773d28bc6456e02c3

            21/12/26草稿より



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