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ハチの家文学館

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以心伝心

2009年09月13日 06時16分01秒 | ハチパパのひとり言

禅宗では、師が弟子に言葉ではなく、心で教えることとある。
現実世界では、長年連れ添った夫婦や、何もかも知り尽くした友人など、深い関係にある間柄で「以心伝心」と言う現象が起きていることがある。
しかし、これは日本或いはアジアの仏教国ぐらいで、はっきりと物を言うことが当たり前になっている欧米ではあまり見かけないと思う。

それと日本人には、阿吽の呼吸と言って、一緒に物事を行うときの、互いの微妙な気持ちが一致することなども、以心伝心同様美徳とされているようである。
現代のように、人、物、カネが激しく移動する時代においては、なかなかそのような現象は起きにくいと思うが、美徳かどうかは別として、以心伝心という日本人の伝統は残っている。

日常生活で、いま思ったことが不思議と相手に伝わることがある。
4日前のお昼、職場近くの新冨鮨での出来事・・・。いつものにぎり寿司を食べ終わろうとしたとき、「漬物が欲しいなァ」と思った瞬間、目の前にサッと沢庵の漬物が出てきたのである。私はついぞ「えっ!大将どうしてわかったの?」と驚くばかり、こんなことってあるんだと・・・。

たまたま遅がけの昼飯で、客が私一人になってしまったこともあり、大将が回りに気遣うことなく出してくれただけのことかもしれないが、またその沢庵の美味しかったこと。古漬けのような色をしていて、平たく細く品よく重ねられ、金ごまがさり気なくのっていて、口の中でコリコリとその食感がたまらない!何度も通った店であるが、今月末で退職することを話したら残念がってくれた。昼時は忙しいせいもあるが、いつもムズカシイ顔をしている職人肌の人と思っていたので、にこやかで穏やかな話し振りにホッとした。

この程度のことは、夫婦親子兄弟姉妹という家族の間では珍しくない。特に夫婦の間ではよくあることである。そろそろ食べたいのではと、亭主が思った通りの料理が出てきたり、食事中に使いたいなと思った香辛料が席を立つ前にサッと出てきたり、よくあることである。


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