和食創作「山人」

私らの旅は取材とはいえ個人的なもの故、最悪、釣りで言うところの「坊主」
さえなければ概ね成功したようなもの。
でもしかし、考えて見れば交通費、宿泊費等は同様に必要な訳で、釣果に
恵まれるに越した事は無いのですが――さてさて次のお店はどうでしょう。


毎度の如く、前日予約もせず、宮島帰り（JR）の車中から当日予約を入れた
のは17:00前だった。電話に出た女性は今のところ満席だと――遅い時間
でも良いからと粘ってみたら『それでは後程ご連絡致します』との返事。


やはり人気店には違い無いようでカウンターも一杯かぁ、でもなんぼ言うても
９時過ぎには空くろうやいか。それまでの「暇潰し」も考えちゅうもんね。
先刻までの「ハラヘリーノ」とは偉い違いですわ。
そんな訳で広島駅からのタクシーを平和大通りで降り携帯の「着信アリ」に
気が付いたのは一時間ほど後だった。











『実はキャンセルが出まして直ぐにご準備出来ます』


と予想外の嬉しいコールバックだったのだが、未だお店の場所が今一あやふや
なんです（Yahoo！地図のcopyがポーチの中に有るのを失念）
土地感の無い街で携帯で聞くのにもランドマーク位は押さえておかないと誘導
する方がたまりませんですから。


結局、お店にケータイして目印は「出光GS」だと教えてもらった。確かタクシー
には「東急インの道路向かいに」と言った筈なんだけどなあ、卸された所が微妙
に外れていたようで。


そんな感じでビルの一階とはいえ、ファサードが控えめに作られていますので
お店に正対しないと見付けるのは一寸苦労するかもです。











引き戸を開けてお店に入るとカウンターに2つ空席が有ります。
右手に広めの小上がりが奥まで続き、想像していたより1.5倍は大きな店内
天井も高く、焼き台で、どんどん料理しても全く煙たくは無い。
後で私の左に男性が座ったことを見ると、一人客のキャンセルだったようで。
その若い男性は最初に御飯を頼んで（注文が入ってから炊き始める故）から
晩酌を始めました、かなりな通ですね。


さてメニューを開いてみると美味しそうな物がいっぱい



熊本産炒り銀杏　￥650
きのこ天麩羅盛合わせ　￥1,200
梶谷農園無農薬さつまいも天麩羅　￥600
芸北パプリカ炭焼き・天麩羅　￥800
帝釈峡しゃも地鶏手羽焼炭焼き　￥800
舛見さんの蓮根炭焼き・天麩羅　￥800
渡辺さんの人参スティック山葵味噌　￥600


（注）これは当日メニューの一部、当日入手出来る厳選素材
　　　しか出しませんので何時も決まって有る訳では無いですよ。


店主・山平氏がお奨めの「手羽」を頂きます。
あのう、手羽ってこんなに大きいんですか。
焼き目もよろしく付いた「地鶏の手羽」はとてもジューシーで素材の旨さ
そのままに野趣溢れています。












生の牡蠣が頂きたかったのですが、今日は生食は無いようで「牡蠣フライ」
を頂きます。『最初は何にも付けずに食べてみて下さい』と言われましたが
これは普通に美味しいとしか。











↑六代目百合の黒ジョカ（カメに寝かした割水の熱燗）



隣には終始、上機嫌な若夫婦が一組。
山平氏に高知から来ましたと話をしていると

『高知ですか、実は私の親父が今日は高知に蘭を見に行ってるんですよ』

と話し掛けてくれました。県民性は高知と似ていてとても「人なつこい」
ですねえ、新し物好きで飽きやすいとか迄、同じでしょうか。
話が合うというか楽しいお酒を呑まれる方が多いのは一緒みたいですね。


後で名刺を拝見したら三原の「梶谷農園」と書いています。
早く言って下さいよぉ、お腹が一杯になって「さつま芋」の天麩羅、食べ損ね
たじゃあ、無いですか。
梶谷さん、高知へ来られる時は連絡して下さいね、タタキ以外の美味しい物
を探しておきますから。


今回はあまり品数多く頂けませんでしたが厳選した素材を最小限の手入れで
（多分、儲けも最小限でしょう）安心・安全を最優先に提供するお店の姿勢は
充分解りましたので次回再訪をお約束しました。
因みにプレミアムな芋焼酎を頂いたにも関わらず４千円行かずとは、これまた
良いお店を教えて頂いた「安芸紅葉」氏に御礼申し上げます。



「坊主居て　坊主無しには　始まらぬ

　山人の夜は　楽しからずや」







↑店主・山平氏が米国で購入したといわれるモニュメントが平和を願う象徴
　として平和大通りに相応しい。（画像クリックでズーム）





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店名：山人（さんと）　※件名は私の創作につき正しくは←
所在：広島市中区富士見町4-28（サンピアルネッサンス１階）（Yahoo！地図）
電話：082-249-0366
営業：18:00～23:30
定休：日曜