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↑光り輝く再訪当日の土佐湾※クリックで→拡大
その地を初めて訪れたのは、芋洗坂氏(仮名、本人認めず)が来高する前日だった。
四国遍路の二巡目を逆打ちで進めている芋洗坂氏が高知へ来る目的というか、気
持ちの半分は札所参りだと解っているゆえのんびり、観光地を廻るのは日を改めて
ということに。
そんな、事情を勘案し候補となったのは高知城、桂浜の坂本龍馬記念館と、こちら
高知市柴巻にある「田中良助旧邸」――元々有った場所は西側の敷地内だったよう
だが復元にあたり、風当たりが緩和されるこの位置へ移動されている事を考慮して
も龍馬が青春の一時期を過ごした建物や庭が現存する唯一の場所であることは間
違い無い。
前日の火曜日には雨も上がり天気の回復が期待されるような、風の強い日で雲は
よく流れていたが、陽射しは弱々しい午前だった。
土佐湾に面して南向きに建てられたその邸は、周りに人家無く、想像どおり門前か
らの展望は大いに拡がっており、素晴らしいパノラマが眺望出来る場所だった。
標高は凡そ、300m位だろうか、健脚の龍馬、いや、江戸の千葉道場で修行を済ま
せたばかりの龍馬だったら上町二丁目から軽く2~3時間で此処まで登って来られ
たかもしれない。少なくとも脱藩に際して大いに鍛えることに繋がったのでは、と思
われる。
撮影をしていると中から出て来られた管理人さん(直系では無いが血縁ではあるや
に)と「風が強いですねえ」と話が……2003年に高知市に寄付されその後、修復が
完了した今は週末の金曜~日曜が公開日と成っているよし。ダメ元で明日の水曜日
に邸内を見学させて貰えないかと尋ねたら快く、午前中限定で承諾頂いた。
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↑前日の土佐湾
と言ったものの、明日再訪が叶うか否かは芋洗坂氏の選択に委ねられるわけで
もし「キャンセルになったらどうしようか」等と考えながら車を置いた場所まで坂道を
下っていると「背中に何かを投げられたような気配」がして足下に転がったものに
目を凝らして見てみると……
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「そんなこんまい事、心配せんでもえいじゃいか
そん時は、そん時で考えたら、えいわえ」
と良助か龍馬が八畳岩の上から戯れに投げながら呟いた言葉のように思えたのは
木洩れ日さす、秋の山中に今を感じるもの無く、彼等が過ごした時と変わらぬ清々
しい空気の香りや、風の音を感じた故だったのかも知れない。
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予想通り山行には申し分無い上天気となった翌日、ホテルから直行した09:30過ぎ
の良助邸、雨戸は既に開かれ玄関の段石には滑り止めも敷かれ訪問者を迎える
準備は早朝から済ませていてくれたようだ。
もちろん、冒頭画像のごとく土佐湾が遠来の友人を明るく迎えてくれたのは思外の
喜びであったことは申すべくもない。
暫し邸内(部屋数7間と思惑広い)の様子をご覧下さい。
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坂本家の次男で五人兄弟の末っ子である龍馬が五歳違いの良助を兄と慕い脱藩を
前に金子二両を拝借した史実は特に有名だが、その証文は「県立歴史民族史料館」
に寄託されており此処には手紙なども一切展示されていない、が、それゆえ往時と
変わらぬ温かい陽射しがさす縁側に腰を掛け、或いは中敷の間に立って窓外の景色
を眺めていると眼下に小さく見える高知城と、西孕山嶺の彼方に拡がる太平洋との
対比は必然、龍馬の世界感形成に繋がったのではと、思いを馳せることが出来るの
だった。
因みに当日、芋洗坂氏が書き残した「訪問帳」の内容については知るよしも無い。
--施設概要--
施設:高知市「田中良助旧邸資料館」
所在:高知県高知市柴巻381番地(Yahoo!地図)
開館:毎週金曜~日曜(年末年始12/27~1/3は休館)
時間:10:00~17:00
料金:無料
駐車:無
問合:高知市観光課(088-823-9457)高知市生涯学習課(088-822-6394)
交通:上町二丁目からタクシーで約20分
その地を初めて訪れたのは、芋洗坂氏(仮名、本人認めず)が来高する前日だった。
四国遍路の二巡目を逆打ちで進めている芋洗坂氏が高知へ来る目的というか、気
持ちの半分は札所参りだと解っているゆえのんびり、観光地を廻るのは日を改めて
ということに。
そんな、事情を勘案し候補となったのは高知城、桂浜の坂本龍馬記念館と、こちら
高知市柴巻にある「田中良助旧邸」――元々有った場所は西側の敷地内だったよう
だが復元にあたり、風当たりが緩和されるこの位置へ移動されている事を考慮して
も龍馬が青春の一時期を過ごした建物や庭が現存する唯一の場所であることは間
違い無い。
前日の火曜日には雨も上がり天気の回復が期待されるような、風の強い日で雲は
よく流れていたが、陽射しは弱々しい午前だった。
土佐湾に面して南向きに建てられたその邸は、周りに人家無く、想像どおり門前か
らの展望は大いに拡がっており、素晴らしいパノラマが眺望出来る場所だった。
標高は凡そ、300m位だろうか、健脚の龍馬、いや、江戸の千葉道場で修行を済ま
せたばかりの龍馬だったら上町二丁目から軽く2~3時間で此処まで登って来られ
たかもしれない。少なくとも脱藩に際して大いに鍛えることに繋がったのでは、と思
われる。
撮影をしていると中から出て来られた管理人さん(直系では無いが血縁ではあるや
に)と「風が強いですねえ」と話が……2003年に高知市に寄付されその後、修復が
完了した今は週末の金曜~日曜が公開日と成っているよし。ダメ元で明日の水曜日
に邸内を見学させて貰えないかと尋ねたら快く、午前中限定で承諾頂いた。
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↑前日の土佐湾
と言ったものの、明日再訪が叶うか否かは芋洗坂氏の選択に委ねられるわけで
もし「キャンセルになったらどうしようか」等と考えながら車を置いた場所まで坂道を
下っていると「背中に何かを投げられたような気配」がして足下に転がったものに
目を凝らして見てみると……
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「そんなこんまい事、心配せんでもえいじゃいか
そん時は、そん時で考えたら、えいわえ」
と良助か龍馬が八畳岩の上から戯れに投げながら呟いた言葉のように思えたのは
木洩れ日さす、秋の山中に今を感じるもの無く、彼等が過ごした時と変わらぬ清々
しい空気の香りや、風の音を感じた故だったのかも知れない。
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予想通り山行には申し分無い上天気となった翌日、ホテルから直行した09:30過ぎ
の良助邸、雨戸は既に開かれ玄関の段石には滑り止めも敷かれ訪問者を迎える
準備は早朝から済ませていてくれたようだ。
もちろん、冒頭画像のごとく土佐湾が遠来の友人を明るく迎えてくれたのは思外の
喜びであったことは申すべくもない。
暫し邸内(部屋数7間と思惑広い)の様子をご覧下さい。
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坂本家の次男で五人兄弟の末っ子である龍馬が五歳違いの良助を兄と慕い脱藩を
前に金子二両を拝借した史実は特に有名だが、その証文は「県立歴史民族史料館」
に寄託されており此処には手紙なども一切展示されていない、が、それゆえ往時と
変わらぬ温かい陽射しがさす縁側に腰を掛け、或いは中敷の間に立って窓外の景色
を眺めていると眼下に小さく見える高知城と、西孕山嶺の彼方に拡がる太平洋との
対比は必然、龍馬の世界感形成に繋がったのではと、思いを馳せることが出来るの
だった。
因みに当日、芋洗坂氏が書き残した「訪問帳」の内容については知るよしも無い。
--施設概要--
施設:高知市「田中良助旧邸資料館」
所在:高知県高知市柴巻381番地(Yahoo!地図)
開館:毎週金曜~日曜(年末年始12/27~1/3は休館)
時間:10:00~17:00
料金:無料
駐車:無
問合:高知市観光課(088-823-9457)高知市生涯学習課(088-822-6394)
交通:上町二丁目からタクシーで約20分