公演No.が、いきなり飛んだ訳では、ございません。
本来はNo.55なんですが、今回RKC劇場公演(No.25)とコラボしてますんで
No.80と、したみたいですね。
登場人物に女性が多い脚本だからでしょうか、今回、松田氏は演出補佐に回っています。
声の大きな下尾氏も出産間近な奥様のフォロー、或いは開店早々のJINZENJYUが忙しい
のかもしれません。
二兎社では渡辺美佐子が演じた堀江波子役を帆足由美が演じておりましたが、年齢的にもう少し
○○な方がいらっしゃるようにも思います。
清家多鶴子(和菓子店大黒屋店主の妻)を演じた門田麻希は少し老け役
その為、二宮明日香(町並みくらぶメンバー)役の↑小野純子と堀江凉(波子の姪)役の木村由季が
ひときわ、光っていた。
今回、公演スケジュールを知ったのが直前であり、配役や脚本の詳細(永井愛は、ら抜きで一度)を
予習することが出来なかったのが、逆に変な先入観を持たずに観ることが出来て良かったのかも。
結果、本来のメンバー以外の出演者が、すごくがんばってというか、意欲的に参加されていて
演技自体にもその気持ちが見て取れ、観ていて清々しい印象を受けた。
「その気持ち」とは即ち、観客の直前で(小劇場ゆえに、観客との距離がすごく近い)演ずることの
緊張と楽しさを味わっている、という、役者のサガのようなモノなのだが、これは、舞台に上がった
経験者にしか解らない感覚であろう。緊張感と晴れがましさが「ない交ぜ」となった瞬間は
ある意味、快感ですらあるのだが
新人の木村由季にそれが良く垣間見れるのは舞台度胸が只者ではないということか。
この脚本は四国のある町で実際、起こった歴史有る建物の存続問題をテーマとし
「古いモノ」に価値観を見いだす、或いは見つけることとはどういうことか、当事者同士が
現実をどう捉え、如何に行動するかという事を
歴史的史実(主に昔の住人のエピソード)の発見と、そこから広がる商家の持つ新たな魅力に
気付くという側面を交え、取り壊しの決まっていた建物があたかも今、それに携わっている当事者達に
語りかけて来るような感覚
に色付けされた主題がアンチテーゼされ最後には……という芝居なのだ。
初演当時(2001年)と少し時間差もあり、今の時代に共感を得るかどうかは微妙なテーマだったと
いうのが私の個人的な感想です。
何時もながら、舞台造作にセンスあり、特に今回は演者を浮かび上がらせる
効果絶大で、ありました。
--show data--
演題:「日暮町風土記」
劇団:演劇センター'90(公演NO.55)
作者:永井 愛
演出:帆足寿夫
日程:11月18~20日(19:00開演)21日(13:00開演)
前売:1,500円(高校生以下1,000円)当日200円増
場所:薫的神社内「新・薫的座」
所在:高知市洞ヶ島町5-7