お客様からよくアレルギー検査についての
お問合せを頂きます。
最近は、アレルギーを持つワンコが増えてきましたね。
今日はちょっと長くなりますが、アレルギーについて
書こうと思います。
長文なので、ご興味のある方だけお読みください!
病院の診察だけでなく、飼い主様もアレルギー
について勉強して一緒に治していきましょう!
アレルギーとは、免疫が特定の物質(抗原・アレルゲン)に対して
過剰反応を起こす事をいいます。
アレルゲンの種類もダニ、ハウスダスト、食べ物、花粉、菌類など
色々あります。
また、接触しただけで反応が起こる場合や、
食べたり吸い込んだりして起こる場合などタイプがあります。
「ウチの子●●アレルギーなんです」とよくご相談を頂きます。
詳しくお話を聞いていると、ほとんどの方は1回の検査で
●●アレルギーだと判断されて、神経質になられています。
どのワンコでも元々20~30種類のアレルゲンを持っています。
食べ物が原因の場合、数回の検査では正確にどの食材で
アレルギーを起こしているか判断できないのはご存知でしょうか?
お客様の中にも、「検査で鶏肉アレルギーという結果が
でたので、チキンはダメなんです」とおっしゃる方に
ご説明し、チキンをお試し頂き、再度検査を行って
頂いたところ、鶏肉アレルギーが出なかった!
という方が沢山いらっしゃいます。
再検査の結果、鶏肉が原因ではなかった方も
いらっしゃいますし、アレルギーではなく、
今までのフードに使われていた鶏肉の品質が
悪かっただけという方もいらっしゃいます。
鶏肉アレルギーだと思い込んで、今まで鶏肉を
避けておられたようです。
(※ここでは分かりやすくチキンを例にしていますが、
鶏肉が悪いわけではありません!)
なぜ、前回は検査で陽性だったのに、チキンを
食べて何ともなかったのか?原因は2点あります。
実は、アレルゲンは変化していきますので、1回の
検査では正確な判断は出来ないのです。
アレルギー反応が出たものが、体内に1~2か月
近く残っています。
ですので、理想は2カ月おきに血液検査をして、
消去法で1つ1つの原因の食材を突き止めていくことです。
原因をはっきりさせるには、相当な時間がかかります。
2か月に1回なので正確な原因を突き止めるまでには
1~2年かかりますので、時間と検査費用がかなりかかり、
ほとんどの飼い主様があきらめてしまいます。
もう1点は、アレルギー検査の会社によっても陰性陽性の
基準ラインが異なります。
同じ血液をA社とB社で検査したところ、
A社は陽性の基準値が低いので、ほとんどの項目が陽性になります。
ところが、B社は陽性の基準値がA社に比べて高いので、
かなり数値が悪い項目が陽性と判断されます。
病院によって、アレルギー検査を依頼する会社が違いますので、
検査結果はあくまでも参考程度に考えておくといいでしょう。
現在、陽性の基準値が低すぎるという事で、
A社は獣医さんの間でも問題視されています。
ほとんどの項目に陽性反応が出てしまい、
ノイローゼになる飼い主さんが多く出ているそうですよ。
アレルギー検査で陽性反応が出たら
食材でアレルギーが出た場合、陽性反応が出た
アレルゲンだけ食べさせなければ良いというわけでもありません。
アレルゲンが似ている食材も避けなければいけません。
例えば、ニンジンに陽性反応が出た場合、似たような
アレルゲンであるセロリ・リンゴ・キュウリ・パセリ・キウイなども
避けた方がいいです。
また重要な事は、人間の場合も同じですが、
アレルギーやアトピーの症状がある場合は、
同じ食材を食べ続けない事が大事です。
鶏肉がアレルゲンではなかったからといって、
鶏肉ばかりを食べ続ければ、次は鶏肉に対して
アレルギー反応を起こすようになります。
同一食材(鶏肉なら鶏肉、大豆なら大豆、米なら米)を
長期間食べ続ければ、その食材はいずれ必ずアレルゲンとなるのです。
そこで、食材循環方式をお勧めします。
アレルギーがひどくならないように、摂取するたんぱく質や
炭水化物の食材を1~2ヶ月毎に変えていくという方法です。
「調べてみたら、食べられないものだらけでした・・・」
という方は、まずは反応が出ていない食材をあげます。
ただし、上記の通り反応が出ていなかったからといって
同一食材ばかりあげていると、今度はその食材に
アレルギー反応が起こりますので、1~2ケ月毎に
お肉の種類をローテーションしてください。
半年ほど続けていくと、反応が起きていた食材の数値が
低くなってきますので、その頃に陰性反応が出ていた食材を
少しずつあげてみてください。
病院で出されるアレルギー用の処方食が
各メーカーから出ています。
これらの処方食は、「加水分解タンパク食」という
アレルギーを起こさないように人工的に消化した
アミノ酸食材です。
アレルギー反応は起こらなくなりますが、
長期間食べていると、善玉菌と悪玉菌のバランスが
崩れていきますので、1~2か月の短期間だけの
使用にしてください。
※アレルギー用の処方食といっても
穀物アレルギーの場合は、これらの処方食は
効果がありません。悪化する場合もありますので、
ご注意ください。
こうしてローテーションし、バランスをとっていく間に
アレルゲンは変わっていくので、食べられない食材が減っていきます。
皮膚、そして毛は、最後の臓器と言われています。
一番生存に必要な内臓、心臓、肝臓、腎臓・・・となり最後に、
皮膚の状態がよくなります。
食べた食事のうちの約30%が皮膚を作る為に使われる
と言われています。
どんなに外からケアをしてあげても、きちんとした食事を
摂らなければ、決して正常には戻りません。
=アレルギーは全然治りません。
体内から改善していくので、もちろん時間はかかりますが効果はあります!!
遺伝的にアレルギーになる子もいます。
父母からではなく、2~3代前の子から遺伝するケースが多いです。
ホースアレルギーだった場合、祖先にホースアレルギーの子が
いたか、ホースばかり食べていた子がいた可能性があります。
ですので、特に交配させるつもりでしたら、
同一食材を食べ続ける事を避けましょう。
後々の子孫に影響してしまいます。