地球を走った男
~間寛平アースマラソン なぜ彼だけが地球一周、走れたのか?~
(ヨシモトブックス) [単行本]
神山 典士 (著)
変わったピン芸人だと思っていた間寛平さんだったが、大変な人物だった。
この本のエッセンスはプロローグの間寛平激白につきるだろう、地球1週
の陸路分約2万キロを走破した人の思いは厚い。今の日本に必要な叫びなの
だろう。
それ以降は、寛平さんがマラソンやウルトラマラソンに関わった契機がかかれ
ている、青梅マラソン初参加で30kmを3時間以内で走ったらギャラを倍に
するとか吉本ポイ下りもある、その後ホノルルマラソンに緊急参戦させてこちら
も3時間半以内の条件ででている。結果的にはそのような課題は難なくクリア
した野生児寛平さんだった。
しかし、その先はにはスパルタロンへの挑戦がまっていたが、さすがに250km
をクリアするには3年間の歳月を要している、それでもこの挑戦が日本人のあらたな
チャレンジャーの増加にも繋がったようだ。
すっかり忘れていたが、24時間TVの24時間マラソンを初めて走ったのも寛平
さんだった、ファンが集まり過ぎて途中で中断になったのはご愛嬌だが、24時間
TVのカンフル剤になるとともに、いままでとても考えらなかった、徳光氏や萩本
氏のような大御所も24時間マラソンを走るようになった。やはりウルトラマラソン
系のパイオニアの一人で、最高の宣伝マンなのだろう。
そんな寛平さんがアースマラソンをしたいと思ったのは思いつき(ひらめき)だった
ようだ、根拠のない自信と彼をとりまく優秀なサポート人材(といっても、事実上
ボランティアみたいですけど)に助けられ、綿密な計画の上にこの計画は実行されて
いく、思いが、形となり、さらに支援者が広がっていく、そのコアは何だろう、
個人のポテンシャルと強い思いか。
ルートの選定、海のわたり方、気象の予測、インターネットの配信方法、スポンサー
の確保、国境の問題、紛争地の通過、健康管理等さまざま問題の対応が本書の内容
であり、その計画・準備・実行の話は面白いが、これだけの計画を支えてくれた人々
(多くはボロンティア)を引きつける寛平さんのパワーは凄い。
それだけの人間に支えられ、途中でガンを克服し、世界を走ってきた男の目線は高い。
だから最初の激白が熱いわけ。
それにしても55歳で体力が落ちて、マラソンの記録も4時間がきれなくなったから
地球を走ってみたい・・・
トップランナーが考えることはスケールが大きい。
きっと支援する人達にも、いいことがたくさん起こると思います。