大嘗祭特集<1> 国をあげて進む準備…「亀卜」「神の衣」「斎田」など
令和の大嘗祭(だいじょうさい)は、天皇が即位したことを内外に示す「即位の礼」が10月22日に行われた後、翌11月の14-15日に催される。新天皇即位の事実が十分に周知された後、なぜさらに大嘗祭というものが必要になるのか。大嘗祭とは何か?
大嘗祭の起源を、縄文・弥生時代にまでさかのぼって追究し、『大嘗祭――天皇制と日本文化の源流』を著した工藤隆氏は、より大きな視野に立てば大嘗祭こそが我が国の天皇の本質を示すもの、日本人の「過去からのアイデンティティー」を示すものであるとする。そして、何より私たち女性天皇支持者にとって嬉しいこと重要なことは、大嘗祭の起源をたどれば、「女のニイナメ」という、女性天皇・女系天皇の正統性を示す事象にたどり着けることだ。
その工藤氏の研究成果については「大嘗祭特集2」で紹介することとして、今回はこれまでの報道から、「令和の大嘗祭」を目指してどのような準備が進められてきたかを振り返っておきたい。そこに垣間見えるシャーマニズム、アニミズムの世界は、たしかに「統治者としての天皇」ではなく、「日本の基層文化の継承者としての天皇」の姿を私たちに力強く教えてくれる。
<INDEX>
1…大嘗祭の「亀卜」で使うカメの甲羅、小笠原諸島から調達の方針(2018/06/24)
2…大嘗祭の「神の衣」の原料となる麻の種まき式、徳島(2019/04/09)
3…天皇皇后両陛下、「期日奉告の儀」で宮中三殿参拝(2019/05/08)
4…天皇陛下、「勅使発遣の儀」にのぞまれる(2019/05/08)
5…大嘗祭の日程報告を受け、伊勢神宮で奉幣の儀式(2019/05/10)
6…大嘗祭の斎田を「亀ト」で決定、栃木県と京都府(2019/05/13)
7…大嘗祭の「神の衣」の原料となる麻の収穫式、徳島(2019/07/16)
8…大嘗祭の神殿「大嘗宮」の地鎮祭、皇居・東御苑(2019/07/26)
9…大嘗祭前の特別なお祓いの儀式「天下大祓」、厳島神社(2019/08/30)
10…大嘗祭の「神の衣」の織り初め式、徳島(2019/09/10)
11…大嘗祭の斎田、栃木と京都それぞれの田圃決定(2019/09/18)
12…大嘗祭の新米収穫「斎田抜穂の儀」、栃木と京都(20190927)
●大嘗祭の「亀卜」で使うカメの甲羅、小笠原諸島から調達の方針(2018/06/24)
大嘗祭で使う米を収穫する地方を選ぶ「斎田点定(さいでんてんてい)の儀」では、「亀卜(きぼく)」と呼ばれる占いが行われる。甲羅を焼いて、ひびの入り具合で物事を決めるのだ。宮中では伝統的にアオウミガメの甲羅が使われているが、この亀は絶滅のおそれがあり、捕獲などが禁止されているため、次の御世の大嘗祭を控え、どのように調達するかが課題だった。宮内庁は2018年6月、小笠原諸島から調達する方針を固めたことを明らかにした。
▲アオウミガメの甲羅を使う占い「亀ト」で「斎田点定の儀」が行われる
▲「斎田点定の儀」で使われる道具。亀の甲をあぶる火をおこすための火きり具(左上)や、火をたくための火炉(右上)など=宮内庁提供画像
画像出所:NHKニュース(2018/06/24/06:21)
小笠原諸島では古くから食用としてアオウミガメの漁が行われており、特別に数を限定しての捕獲が認められているという。宮内庁は2018年春に捕獲されたアオウミガメの甲羅を東京に運び、2019年の儀式に向けた準備を進める。
・参考記事(リンク切れ)
「大嘗祭」関連儀式でアオウミガメの甲羅を調達へ(NHKニュース、2018/06/24)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180624/k10011493151000.html
●大嘗祭の「神の衣」の原料となる麻の種まき式、徳島(2019/04/09)
大嘗祭に納められる特別な麻の織物「麁服(あらたえ)」の原料となる麻の種まき式が、徳島県美馬市で行われた。「麁服」は、大嘗祭に「神の衣」としてまつられる特別な麻の織物で、徳島県の阿波忌部氏(あわいんべし)と呼ばれる一族が代々、皇室に納めてきた。
大正、昭和、平成に続いて令和にも「麁服」の原料となる麻の栽培が行われることになった美馬市木屋平地区では、4月9日、阿波忌部氏の子孫にあたる三木信夫さんはじめ、地元の関係者などおよそ70人が参列し、種まき式が催行された。
▲白い衣装で麻の種をまく阿波忌部氏の子孫の三木氏(左)、麻の種(右)
画像出所:NHKニュース(2019/04/09/16:19)
三木さんたちは白い衣装をまとい、麻を育てるために設けられた畑に入り、塩や酒で畑を清めたあと、地面に掘られた溝に麻の種をまき、丁寧に土をかぶせた。麻の種は10日ほどで芽を出し、7月に収穫されるという。
<参考記事>リンク切れ
・令和の大嘗祭に納められる特別な織物 原料の麻の種まき式 徳島(NHKニュース、2019/04/09/16:19)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190409/k10011878141000.html
●天皇皇后両陛下、「期日奉告の儀」で宮中三殿参拝(2019/05/08)
5月8日午前、両陛下が宮中三殿を参拝し、即位の礼と大嘗祭の日程を報告する「期日奉告の儀」が行われた。天皇陛下は午前10時半すぎから、皇室の祖神とされる天照大神を祭る賢所(かしこどころ)、皇室の祖先をまつる皇霊殿、国内の神々をまつる神殿を順に参拝。即位の礼と大嘗祭の日程を告げる「御告文(おつげぶみ)」を読み上げ、報告された。
続いて皇后陛下も、「おすべらかし」という伝統的な髪形、「五衣」に「小袿」という装束姿で、天皇陛下と同じ順に「宮中三殿」を回って拝礼された。
▲天皇陛下は天皇のみが着られる装束「黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)」を身につけて三殿を参拝し、即位の礼と大嘗祭の儀式の日程を報告された
▲皇后さまは「おすべらかし」の髪形、「五衣」に「小袿」という装束姿で三殿に拝礼された
画像出所:テレビ東京(2019/05/08/15:00)
<参考記事>
両陛下 装束姿で初の宮中祭祀(テレビ東京、2019/05/08/15:00)
https://www.tv-tokyo.co.jp/news/original/2019/05/08/004222.html
天皇陛下 宮中三殿で即位後初の宮中祭祀(NHK、2019/05/08/13:20)(リンク切れ)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190508/k10011908571000.html?utm_int=news_contents_news-main_006
●天皇陛下、「勅使発遣の儀」にのぞまれる(2019/05/08)
5月8日午前中に三殿をめぐり「期日奉告の儀」を終えられた天皇陛下は、同日午後、秋に行われる「即位礼正殿の儀」と「大嘗祭」の期日を伊勢神宮と神武天皇陵、および前四代の天皇陵に報告するため、勅使を派遣する「勅使発遣(ちょくしはっけん)の儀」に臨まれた。
▲天皇陛下は伊勢神宮への勅使に御祭文を伝えられた(宮殿・竹の間)
画像出所:時事通信映像センター(2019/05/08)
https://www.youtube.com/watch?v=3689UaqTgVU
天皇陛下は午後2時すぎ、御引直衣(おひきのうし)という白の装束を召して皇居・宮殿の「竹の間」に入られた。陛下は、黒の装束姿の伊勢神宮への勅使に、山本信一郎長官を通じて御祭文(ごさいもん)を授け、「よく申してたてまつれ」と述べられた。勅使は伊勢神宮への供え物とともに退出。陛下は続いて、神武天皇陵(奈良県)、昭和天皇が埋葬された武蔵野陵と大正天皇陵(東京・八王子市)、明治天皇陵と孝明天皇陵(京都市)に派遣する勅使らにも「御祭文」を授けられた。
勅使から「御祭文」を受ける伊勢神宮と5つの天皇陵では5月10日、奉幣の儀式が行われる。
<参考記事>
・「勅使発遣の儀」に臨まれる天皇陛下(時事通信映像センター、2019/05/08)
https://www.youtube.com/watch?v=3689UaqTgVU
・天皇陛下 伊勢神宮などへの使者派遣の儀式に臨まれる(NHK、2019/05/08/17:40)リンク切れ
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190508/k10011908811000.html?utm_int=detail_contents_news-related_001
●大嘗祭の日程報告を受け、伊勢神宮で奉幣の儀式(2019/05/10)
天皇陛下の勅使が5月10日、伊勢神宮(三重県伊勢市)などを訪れ、「即位礼正殿の儀」と「大嘗祭」の日程を報告する儀式、奉幣(ほうへい)が行われた。
▲天皇陛下の勅使から「御祭文」を受けて行われた奉幣の儀式(伊勢神宮内宮)=橘薫氏撮影
画像出所:読売新聞(2019/05/11/05:00)
https://www.yomiuri.co.jp/local/chubu/news/20190511-OYTNT50021/
伊勢神宮の内宮では午前中、上皇ご夫妻の長女で神宮祭主の黒田清子さん、小松揮世久大宮司らがアワビや米、酒などを供える大御饌(おおみけ)と呼ばれる儀式を行った。午後には、黒い衣冠姿の天皇陛下の勅使が黒田さんや神職らとともに、「即位礼正殿の儀」を10月22日に、「大嘗宮の儀」を11月14、15日に行うという趣旨の御祭文(ごさいもん)を読み上げた。
<参考記事>
・大嘗祭日程報告 伊勢神宮で奉幣(読売新聞、2019/05/11/05:00)
https://www.yomiuri.co.jp/local/chubu/news/20190511-OYTNT50021/
●大嘗祭の斎田を「亀ト」で決定、栃木県と京都府(2019/05/13)
大嘗祭の中心儀式である「大嘗宮(だいじょうきゅう)の儀」で、神々に供える米を育てる地方を決める「斎田点定(さいでんてんてい)の儀」が5月13日午前、皇居・宮中三殿の神殿前で行われた。カメの甲羅を使った占い「亀卜(きぼく)」の結果、東日本の「悠紀(ゆき)地方」に栃木県、西日本の「主基(すき)地方」に京都府が、それぞれ選ばれた。
▲祭祀をつかさどる掌典長が祝詞を読み上げた後、皇居・宮中三殿の神殿前に設けられた斎舎(さいしゃ)と呼ばれる施設に衣冠姿の掌典職員が入った。(5月13日午前、宮内庁提供)
画像出所:産経新聞(2019/05/13/12:50)
亀卜は非公開だが、宮内庁によると、東京都小笠原村で捕獲され、長さ約24センチ、幅約15センチ、厚さ約1ミリに加工したアオウミガメの甲羅を桜の木をくべた火にかざす占いを実施。ひびの割れ方から都道府県を決めたという。
結果について、天皇陛下は皇居・宮殿の表御座所で、宮内庁の山本信一郎長官から報告を受けた。大嘗宮の儀は11月14、15日に皇居・東御苑で行われる。この亀卜で決まった悠紀国(栃木県)、主基国(京都府)の田んぼ(斎田)で収穫された米を、天皇陛下が神々に供え、五穀豊穣と国の安寧を祈られる。
▲「亀ト」に使われるアオウミガメの甲羅(左)、斎田点定の儀で使われる道具一式(右)=宮内庁提供
<参考記事>
・大嘗祭の斎田は栃木県と京都府 占い「亀ト」で決定(産経新聞、2019/05/13/12:50)
https://www.sankei.com/life/news/190513/lif1905130024-n1.html
●大嘗祭「神の衣」の原料となる麻の収穫式、徳島(2019/07/16)
大嘗祭で「神の衣」としてまつられる特別な麻の織物「麁服(あらたえ)」の原料となる麻の収穫式が徳島県で行われた。
▲麁服の原料となる麻の収穫式。麻を畑から抜いて束にし、専用の木桶で熱湯につけ殺菌する(徳島県美馬市)
画像出所:NHKニュース(2019/07/16/04:29)
この麻は、徳島県の「阿波忌部氏」と呼ばれる一族が代々皇室に納めてきたもの。美馬市木屋平地区にある同氏子孫の畑で今年4月9日に種がまかれ、高さが3mほどとなったことから15日に収穫式が行われた。白い装束に身を包んだ地元の人が鳥居と柵で囲われた畑の中に入り、麻を根元から引き抜いて葉と根を切り落とし、長さを整え束にした。この麻を専用の木桶に入った熱湯につけて殺菌し、畑の前に立てた。
<参考記事>
・大嘗祭にまつる「麁服」 原料の麻 収穫式 徳島(NHKニュース、2019/07/16/04:29))
https://www3.nhk.or.jp/news/special/japans-emperor6/news/news_all.html
●大嘗祭の神殿「大嘗宮」の地鎮祭、皇居・東御苑(2019/07/26)
大嘗祭の会場として建てられる神殿「大嘗宮」の地鎮祭が7月26日、皇居・東御苑の予定地で、午前10時ごろから1時間半にわたって行われた。大嘗祭の中心儀式である「大嘗宮の儀」は11月14日夕方から夜を徹して行われ、天皇陛下は中で国の安寧を祈られる。
▲大嘗祭の会場として建てられる神殿「大嘗宮」の地鎮祭が行われた(皇居・東御苑)
画像出所:ANN NEWS(2019/07/26)
地鎮祭には、宮内庁の幹部や施工業者の代表らが参列。大嘗宮の主要な建物となる悠紀殿(ゆきでん)と主基殿(すきでん)の予定地には、それぞれ祭舎(さいしゃ)が設けられた。皇室の祭祀をつかさどる掌典が、陛下が祈られる予定地の四隅を塩や酒で清め、絹織物などを地中に埋めて、今後に始まる工事の安全を祈願した。
大嘗宮の設営は清水建設が予定価格の約6割で請け負っており、10月中にはおおむね完成する見通しという。
<参考記事>
・天皇即位に伴う大嘗祭に向け 大嘗宮の地鎮祭(ANNニュースチャンネル、2019/07/26)
www.youtube.com/watch?v=Rl6pz9ACZ2g
●大嘗祭前の特別なおはらいの儀式「天下大祓」、厳島神社(2019/08/30)
大嘗祭前に全国一斉に行われる特別なおはらいの儀式、天下大祓(てんかおおはらえ)が、8月30日に行われた。天皇陛下が即位する新しい時代に災いが起こらないことを祈るもので、広島県では廿日市市の宮島にある世界遺産の厳島神社で行われ、県内18の神社から27人の若手の神職が参加した。
▲広島県内18の神社から27人の若手神職が参加し、厳島神社で行われた天下大祓(てんかおおはらえ)
画像出所:NHK(2019/08/30/16:36)
神職たちは本社の祓殿前の海上にせり出す国宝「平舞台」で「大祓詞」(おおはらえことば)を全員で読み上げた。その後、「切麻」と呼ばれる細かく切った白い紙と麻をまいたあと、代表者が海に向かって、さかきの枝を左右に振り国民の安寧を祈った。
<参考記事>
・大嘗祭前に厳島神社で特別なおはらいの儀式「天下大祓」(NHK、2019/08/30/16:36)
https://www3.nhk.or.jp/news/special/japans-emperor6/news/news_all.html
●大嘗祭「神の衣」の織り初め式、徳島(2019/09/10)
大嘗祭で「神の衣」としてまつられる特別な麻の織物「麁服(あらたえ)」を織り始める「織り初め式」が9月10日、徳島県吉野川市の山崎忌部(やまさきいんべ)神社で行われた。麁服は、徳島県の阿波忌部氏(あわいんべし)と呼ばれる一族が皇室に納めてきたもので、原料の麻糸は8月に完成していた。
▲「織り初め式」で麁服(あらたえ)を織る巫女姿の女性たち(山崎忌部神社)
画像出所:NHK(2019/09/10/16:16)
阿波忌部氏の子孫をはじめ、関係者およそ100人が参列する中、巫女の衣装をまとった高校生から22歳までの織女(おりめ)と呼ばれる女性7人が織り機に座り、上下の縦糸の間に杼(ひ)と呼ばれる道具を使って横糸を通し、織り上げていった。麁服は1反が幅およそ32センチ、長さおよそ11メートルで、1か月ほどかけて4反を織り上げ、10月末に皇居に納められるという。
<参考記事>
・「大嘗祭」での特別な織物“麁服” 織り初め式 徳島(NHK、2019/09/10/16:16)
https://www3.nhk.or.jp/news/special/japans-emperor6/news/news_all.html
●大嘗祭の斎田と大田主、栃木と京都で決定(2019/09/18)
大嘗祭の斎田は今年5月、東の悠紀(ゆき)地方に栃木県、西の主基(すき)地方に京都府が選ばれていた。宮内庁によると、それぞれの斎田と大田主(おおたぬし)と呼ばれる耕作者については、栃木県と京都府の農業団体から推薦を受けて天皇陛下に伝え、9月18日に決定したという。
▲主基地方の京都府の斎田は、「キヌヒカリ」を作る南丹市の田んぼに決定
▲悠紀地方の栃木県の斎田は、「とちぎの星」を作る高根沢町の田んぼに決定
画像出所:テレ朝NEWS(2019/09/19/ 06:11)
栃木県の斎田は、高根沢町大谷下原の「とちぎの星」という品種が作付けされた田んぼで、大田主は石塚毅男さん(55歳)。京都府の斎田は、南丹市八木町氷所新東畑の「キヌヒカリ」という品種が作付けされた田んぼで、大田主は中川久夫さん(75歳)。
大嘗祭では、天皇陛下は即位後初めて、2か所の斎田で新しく収穫された米を、天照大神とすべての神々に供えたうえで自らも食べ、国と国民の安寧や五穀豊穣などを祈られる。近くそれぞれの斎田で新米を収穫する儀式が行われる。
<参考記事>
・大嘗祭の2つの斎田 栃木と京都の田んぼに決定(テレ朝NEWS、2019/09/19/ 06:11)
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000164735.html
●大嘗祭の新米を収穫する「斎田抜穂の儀」、栃木と京都(20190927)
大嘗祭で使う新米を収穫する神事「斎田抜穂(さいでんぬきほ)の儀」が、9月27日午前10時、悠紀(ゆき)斎田(栃木県高根沢町)と、主基(すき)斎田(京都府南丹市」で行われた。
▲稲を刈り取る大田主の石塚さん(左から2人目)ら関係者(2019/09/27午前、高根沢町)
画像出所:東京新聞(2019/09/27夕刊)
高根沢町では、福田富一知事ら10人が参列。特設斎場で陛下の使いである抜穂使(ぬきほし)が祝詞(のりと)を読み、白張黄単(はくちょうきひとえ)という特別な衣装を着た大田主の石塚毅男さんを先頭に、儀式を手伝う奉耕者(ほうこうしゃ)10人が斎田に入った。四束の稲を刈り取って斎場へ運び、抜穂使に検分してもらった後、稲を保管する「稲実殿(いなのみでん)」に納めた。(東京新聞より)
▲稲穂を刈り取る大田主の中川さん(左端)ら関係者(2019/09/27午前、南丹市)
画像出所:京都新聞(2019/09/27/11:58)
南丹市では、水田近くに設営された斎場に、大礼委員の宮内庁京都事務所の詫間直樹所長、抜穂使の唐橋在倫掌典、大田主の中川久夫さん、地元住民らでつくる奉耕者10人などが入った。掌典職が主基田をおはらいし、神殿に神饌(しんせん)を供え、抜穂使が祝詞を奏上。中川さんや奉耕者が主基田に移動して、稲穂を鎌で刈り取った。中川さんが三方に載せて神前に供え、抜穂使が確認した。(京都新聞より)
どちらの斎田も午後に機械を使って稲刈りをし、それぞれ187.5キロが皇居へ送られる(宮内庁が買い取る形)。来月中に、皇居・東御苑に建設中の大嘗宮の一角で、「新穀供納(しんこくきょうのう)式」が行われる。
<参考記事>
・「主基斎田抜穂の儀」を前に「大祓」厳かに 京都・南丹で儀式(京都新聞、2019/09/26)
https://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20190926000141
・大嘗祭のコメ、大田主ら刈り取り 京都・南丹で「抜穂の儀」(京都新聞、2019/09/27)
https://kyoto-np.jp/local/article/20190927000054
・大嘗祭の新米収穫 栃木と京都、斎田抜穂の儀(東京新聞、2019/09/27)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201909/CK2019092702000279.html
・大嘗祭で使う米の収穫 栃木と京都で「斎田抜穂の儀」(NHK、2019/09/27/ 12:21)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190927/k10012101511000.html
・大嘗祭で使う米収穫 京都と栃木で「斎田抜穂の儀」(毎日新聞、2019/09/27)
https://mainichi.jp/articles/20190927/k00/00m/040/239000c
令和の大嘗祭(だいじょうさい)は、天皇が即位したことを内外に示す「即位の礼」が10月22日に行われた後、翌11月の14-15日に催される。新天皇即位の事実が十分に周知された後、なぜさらに大嘗祭というものが必要になるのか。大嘗祭とは何か?
大嘗祭の起源を、縄文・弥生時代にまでさかのぼって追究し、『大嘗祭――天皇制と日本文化の源流』を著した工藤隆氏は、より大きな視野に立てば大嘗祭こそが我が国の天皇の本質を示すもの、日本人の「過去からのアイデンティティー」を示すものであるとする。そして、何より私たち女性天皇支持者にとって嬉しいこと重要なことは、大嘗祭の起源をたどれば、「女のニイナメ」という、女性天皇・女系天皇の正統性を示す事象にたどり着けることだ。
その工藤氏の研究成果については「大嘗祭特集2」で紹介することとして、今回はこれまでの報道から、「令和の大嘗祭」を目指してどのような準備が進められてきたかを振り返っておきたい。そこに垣間見えるシャーマニズム、アニミズムの世界は、たしかに「統治者としての天皇」ではなく、「日本の基層文化の継承者としての天皇」の姿を私たちに力強く教えてくれる。
<INDEX>
1…大嘗祭の「亀卜」で使うカメの甲羅、小笠原諸島から調達の方針(2018/06/24)
2…大嘗祭の「神の衣」の原料となる麻の種まき式、徳島(2019/04/09)
3…天皇皇后両陛下、「期日奉告の儀」で宮中三殿参拝(2019/05/08)
4…天皇陛下、「勅使発遣の儀」にのぞまれる(2019/05/08)
5…大嘗祭の日程報告を受け、伊勢神宮で奉幣の儀式(2019/05/10)
6…大嘗祭の斎田を「亀ト」で決定、栃木県と京都府(2019/05/13)
7…大嘗祭の「神の衣」の原料となる麻の収穫式、徳島(2019/07/16)
8…大嘗祭の神殿「大嘗宮」の地鎮祭、皇居・東御苑(2019/07/26)
9…大嘗祭前の特別なお祓いの儀式「天下大祓」、厳島神社(2019/08/30)
10…大嘗祭の「神の衣」の織り初め式、徳島(2019/09/10)
11…大嘗祭の斎田、栃木と京都それぞれの田圃決定(2019/09/18)
12…大嘗祭の新米収穫「斎田抜穂の儀」、栃木と京都(20190927)
●大嘗祭の「亀卜」で使うカメの甲羅、小笠原諸島から調達の方針(2018/06/24)
大嘗祭で使う米を収穫する地方を選ぶ「斎田点定(さいでんてんてい)の儀」では、「亀卜(きぼく)」と呼ばれる占いが行われる。甲羅を焼いて、ひびの入り具合で物事を決めるのだ。宮中では伝統的にアオウミガメの甲羅が使われているが、この亀は絶滅のおそれがあり、捕獲などが禁止されているため、次の御世の大嘗祭を控え、どのように調達するかが課題だった。宮内庁は2018年6月、小笠原諸島から調達する方針を固めたことを明らかにした。
▲アオウミガメの甲羅を使う占い「亀ト」で「斎田点定の儀」が行われる
▲「斎田点定の儀」で使われる道具。亀の甲をあぶる火をおこすための火きり具(左上)や、火をたくための火炉(右上)など=宮内庁提供画像
画像出所:NHKニュース(2018/06/24/06:21)
小笠原諸島では古くから食用としてアオウミガメの漁が行われており、特別に数を限定しての捕獲が認められているという。宮内庁は2018年春に捕獲されたアオウミガメの甲羅を東京に運び、2019年の儀式に向けた準備を進める。
・参考記事(リンク切れ)
「大嘗祭」関連儀式でアオウミガメの甲羅を調達へ(NHKニュース、2018/06/24)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180624/k10011493151000.html
●大嘗祭の「神の衣」の原料となる麻の種まき式、徳島(2019/04/09)
大嘗祭に納められる特別な麻の織物「麁服(あらたえ)」の原料となる麻の種まき式が、徳島県美馬市で行われた。「麁服」は、大嘗祭に「神の衣」としてまつられる特別な麻の織物で、徳島県の阿波忌部氏(あわいんべし)と呼ばれる一族が代々、皇室に納めてきた。
大正、昭和、平成に続いて令和にも「麁服」の原料となる麻の栽培が行われることになった美馬市木屋平地区では、4月9日、阿波忌部氏の子孫にあたる三木信夫さんはじめ、地元の関係者などおよそ70人が参列し、種まき式が催行された。
▲白い衣装で麻の種をまく阿波忌部氏の子孫の三木氏(左)、麻の種(右)
画像出所:NHKニュース(2019/04/09/16:19)
三木さんたちは白い衣装をまとい、麻を育てるために設けられた畑に入り、塩や酒で畑を清めたあと、地面に掘られた溝に麻の種をまき、丁寧に土をかぶせた。麻の種は10日ほどで芽を出し、7月に収穫されるという。
<参考記事>リンク切れ
・令和の大嘗祭に納められる特別な織物 原料の麻の種まき式 徳島(NHKニュース、2019/04/09/16:19)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190409/k10011878141000.html
●天皇皇后両陛下、「期日奉告の儀」で宮中三殿参拝(2019/05/08)
5月8日午前、両陛下が宮中三殿を参拝し、即位の礼と大嘗祭の日程を報告する「期日奉告の儀」が行われた。天皇陛下は午前10時半すぎから、皇室の祖神とされる天照大神を祭る賢所(かしこどころ)、皇室の祖先をまつる皇霊殿、国内の神々をまつる神殿を順に参拝。即位の礼と大嘗祭の日程を告げる「御告文(おつげぶみ)」を読み上げ、報告された。
続いて皇后陛下も、「おすべらかし」という伝統的な髪形、「五衣」に「小袿」という装束姿で、天皇陛下と同じ順に「宮中三殿」を回って拝礼された。
▲天皇陛下は天皇のみが着られる装束「黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)」を身につけて三殿を参拝し、即位の礼と大嘗祭の儀式の日程を報告された
▲皇后さまは「おすべらかし」の髪形、「五衣」に「小袿」という装束姿で三殿に拝礼された
画像出所:テレビ東京(2019/05/08/15:00)
<参考記事>
両陛下 装束姿で初の宮中祭祀(テレビ東京、2019/05/08/15:00)
https://www.tv-tokyo.co.jp/news/original/2019/05/08/004222.html
天皇陛下 宮中三殿で即位後初の宮中祭祀(NHK、2019/05/08/13:20)(リンク切れ)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190508/k10011908571000.html?utm_int=news_contents_news-main_006
●天皇陛下、「勅使発遣の儀」にのぞまれる(2019/05/08)
5月8日午前中に三殿をめぐり「期日奉告の儀」を終えられた天皇陛下は、同日午後、秋に行われる「即位礼正殿の儀」と「大嘗祭」の期日を伊勢神宮と神武天皇陵、および前四代の天皇陵に報告するため、勅使を派遣する「勅使発遣(ちょくしはっけん)の儀」に臨まれた。
▲天皇陛下は伊勢神宮への勅使に御祭文を伝えられた(宮殿・竹の間)
画像出所:時事通信映像センター(2019/05/08)
https://www.youtube.com/watch?v=3689UaqTgVU
天皇陛下は午後2時すぎ、御引直衣(おひきのうし)という白の装束を召して皇居・宮殿の「竹の間」に入られた。陛下は、黒の装束姿の伊勢神宮への勅使に、山本信一郎長官を通じて御祭文(ごさいもん)を授け、「よく申してたてまつれ」と述べられた。勅使は伊勢神宮への供え物とともに退出。陛下は続いて、神武天皇陵(奈良県)、昭和天皇が埋葬された武蔵野陵と大正天皇陵(東京・八王子市)、明治天皇陵と孝明天皇陵(京都市)に派遣する勅使らにも「御祭文」を授けられた。
勅使から「御祭文」を受ける伊勢神宮と5つの天皇陵では5月10日、奉幣の儀式が行われる。
<参考記事>
・「勅使発遣の儀」に臨まれる天皇陛下(時事通信映像センター、2019/05/08)
https://www.youtube.com/watch?v=3689UaqTgVU
・天皇陛下 伊勢神宮などへの使者派遣の儀式に臨まれる(NHK、2019/05/08/17:40)リンク切れ
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190508/k10011908811000.html?utm_int=detail_contents_news-related_001
●大嘗祭の日程報告を受け、伊勢神宮で奉幣の儀式(2019/05/10)
天皇陛下の勅使が5月10日、伊勢神宮(三重県伊勢市)などを訪れ、「即位礼正殿の儀」と「大嘗祭」の日程を報告する儀式、奉幣(ほうへい)が行われた。
▲天皇陛下の勅使から「御祭文」を受けて行われた奉幣の儀式(伊勢神宮内宮)=橘薫氏撮影
画像出所:読売新聞(2019/05/11/05:00)
https://www.yomiuri.co.jp/local/chubu/news/20190511-OYTNT50021/
伊勢神宮の内宮では午前中、上皇ご夫妻の長女で神宮祭主の黒田清子さん、小松揮世久大宮司らがアワビや米、酒などを供える大御饌(おおみけ)と呼ばれる儀式を行った。午後には、黒い衣冠姿の天皇陛下の勅使が黒田さんや神職らとともに、「即位礼正殿の儀」を10月22日に、「大嘗宮の儀」を11月14、15日に行うという趣旨の御祭文(ごさいもん)を読み上げた。
<参考記事>
・大嘗祭日程報告 伊勢神宮で奉幣(読売新聞、2019/05/11/05:00)
https://www.yomiuri.co.jp/local/chubu/news/20190511-OYTNT50021/
●大嘗祭の斎田を「亀ト」で決定、栃木県と京都府(2019/05/13)
大嘗祭の中心儀式である「大嘗宮(だいじょうきゅう)の儀」で、神々に供える米を育てる地方を決める「斎田点定(さいでんてんてい)の儀」が5月13日午前、皇居・宮中三殿の神殿前で行われた。カメの甲羅を使った占い「亀卜(きぼく)」の結果、東日本の「悠紀(ゆき)地方」に栃木県、西日本の「主基(すき)地方」に京都府が、それぞれ選ばれた。
▲祭祀をつかさどる掌典長が祝詞を読み上げた後、皇居・宮中三殿の神殿前に設けられた斎舎(さいしゃ)と呼ばれる施設に衣冠姿の掌典職員が入った。(5月13日午前、宮内庁提供)
画像出所:産経新聞(2019/05/13/12:50)
亀卜は非公開だが、宮内庁によると、東京都小笠原村で捕獲され、長さ約24センチ、幅約15センチ、厚さ約1ミリに加工したアオウミガメの甲羅を桜の木をくべた火にかざす占いを実施。ひびの割れ方から都道府県を決めたという。
結果について、天皇陛下は皇居・宮殿の表御座所で、宮内庁の山本信一郎長官から報告を受けた。大嘗宮の儀は11月14、15日に皇居・東御苑で行われる。この亀卜で決まった悠紀国(栃木県)、主基国(京都府)の田んぼ(斎田)で収穫された米を、天皇陛下が神々に供え、五穀豊穣と国の安寧を祈られる。
▲「亀ト」に使われるアオウミガメの甲羅(左)、斎田点定の儀で使われる道具一式(右)=宮内庁提供
<参考記事>
・大嘗祭の斎田は栃木県と京都府 占い「亀ト」で決定(産経新聞、2019/05/13/12:50)
https://www.sankei.com/life/news/190513/lif1905130024-n1.html
●大嘗祭「神の衣」の原料となる麻の収穫式、徳島(2019/07/16)
大嘗祭で「神の衣」としてまつられる特別な麻の織物「麁服(あらたえ)」の原料となる麻の収穫式が徳島県で行われた。
▲麁服の原料となる麻の収穫式。麻を畑から抜いて束にし、専用の木桶で熱湯につけ殺菌する(徳島県美馬市)
画像出所:NHKニュース(2019/07/16/04:29)
この麻は、徳島県の「阿波忌部氏」と呼ばれる一族が代々皇室に納めてきたもの。美馬市木屋平地区にある同氏子孫の畑で今年4月9日に種がまかれ、高さが3mほどとなったことから15日に収穫式が行われた。白い装束に身を包んだ地元の人が鳥居と柵で囲われた畑の中に入り、麻を根元から引き抜いて葉と根を切り落とし、長さを整え束にした。この麻を専用の木桶に入った熱湯につけて殺菌し、畑の前に立てた。
<参考記事>
・大嘗祭にまつる「麁服」 原料の麻 収穫式 徳島(NHKニュース、2019/07/16/04:29))
https://www3.nhk.or.jp/news/special/japans-emperor6/news/news_all.html
●大嘗祭の神殿「大嘗宮」の地鎮祭、皇居・東御苑(2019/07/26)
大嘗祭の会場として建てられる神殿「大嘗宮」の地鎮祭が7月26日、皇居・東御苑の予定地で、午前10時ごろから1時間半にわたって行われた。大嘗祭の中心儀式である「大嘗宮の儀」は11月14日夕方から夜を徹して行われ、天皇陛下は中で国の安寧を祈られる。
▲大嘗祭の会場として建てられる神殿「大嘗宮」の地鎮祭が行われた(皇居・東御苑)
画像出所:ANN NEWS(2019/07/26)
地鎮祭には、宮内庁の幹部や施工業者の代表らが参列。大嘗宮の主要な建物となる悠紀殿(ゆきでん)と主基殿(すきでん)の予定地には、それぞれ祭舎(さいしゃ)が設けられた。皇室の祭祀をつかさどる掌典が、陛下が祈られる予定地の四隅を塩や酒で清め、絹織物などを地中に埋めて、今後に始まる工事の安全を祈願した。
大嘗宮の設営は清水建設が予定価格の約6割で請け負っており、10月中にはおおむね完成する見通しという。
<参考記事>
・天皇即位に伴う大嘗祭に向け 大嘗宮の地鎮祭(ANNニュースチャンネル、2019/07/26)
www.youtube.com/watch?v=Rl6pz9ACZ2g
●大嘗祭前の特別なおはらいの儀式「天下大祓」、厳島神社(2019/08/30)
大嘗祭前に全国一斉に行われる特別なおはらいの儀式、天下大祓(てんかおおはらえ)が、8月30日に行われた。天皇陛下が即位する新しい時代に災いが起こらないことを祈るもので、広島県では廿日市市の宮島にある世界遺産の厳島神社で行われ、県内18の神社から27人の若手の神職が参加した。
▲広島県内18の神社から27人の若手神職が参加し、厳島神社で行われた天下大祓(てんかおおはらえ)
画像出所:NHK(2019/08/30/16:36)
神職たちは本社の祓殿前の海上にせり出す国宝「平舞台」で「大祓詞」(おおはらえことば)を全員で読み上げた。その後、「切麻」と呼ばれる細かく切った白い紙と麻をまいたあと、代表者が海に向かって、さかきの枝を左右に振り国民の安寧を祈った。
<参考記事>
・大嘗祭前に厳島神社で特別なおはらいの儀式「天下大祓」(NHK、2019/08/30/16:36)
https://www3.nhk.or.jp/news/special/japans-emperor6/news/news_all.html
●大嘗祭「神の衣」の織り初め式、徳島(2019/09/10)
大嘗祭で「神の衣」としてまつられる特別な麻の織物「麁服(あらたえ)」を織り始める「織り初め式」が9月10日、徳島県吉野川市の山崎忌部(やまさきいんべ)神社で行われた。麁服は、徳島県の阿波忌部氏(あわいんべし)と呼ばれる一族が皇室に納めてきたもので、原料の麻糸は8月に完成していた。
▲「織り初め式」で麁服(あらたえ)を織る巫女姿の女性たち(山崎忌部神社)
画像出所:NHK(2019/09/10/16:16)
阿波忌部氏の子孫をはじめ、関係者およそ100人が参列する中、巫女の衣装をまとった高校生から22歳までの織女(おりめ)と呼ばれる女性7人が織り機に座り、上下の縦糸の間に杼(ひ)と呼ばれる道具を使って横糸を通し、織り上げていった。麁服は1反が幅およそ32センチ、長さおよそ11メートルで、1か月ほどかけて4反を織り上げ、10月末に皇居に納められるという。
<参考記事>
・「大嘗祭」での特別な織物“麁服” 織り初め式 徳島(NHK、2019/09/10/16:16)
https://www3.nhk.or.jp/news/special/japans-emperor6/news/news_all.html
●大嘗祭の斎田と大田主、栃木と京都で決定(2019/09/18)
大嘗祭の斎田は今年5月、東の悠紀(ゆき)地方に栃木県、西の主基(すき)地方に京都府が選ばれていた。宮内庁によると、それぞれの斎田と大田主(おおたぬし)と呼ばれる耕作者については、栃木県と京都府の農業団体から推薦を受けて天皇陛下に伝え、9月18日に決定したという。
▲主基地方の京都府の斎田は、「キヌヒカリ」を作る南丹市の田んぼに決定
▲悠紀地方の栃木県の斎田は、「とちぎの星」を作る高根沢町の田んぼに決定
画像出所:テレ朝NEWS(2019/09/19/ 06:11)
栃木県の斎田は、高根沢町大谷下原の「とちぎの星」という品種が作付けされた田んぼで、大田主は石塚毅男さん(55歳)。京都府の斎田は、南丹市八木町氷所新東畑の「キヌヒカリ」という品種が作付けされた田んぼで、大田主は中川久夫さん(75歳)。
大嘗祭では、天皇陛下は即位後初めて、2か所の斎田で新しく収穫された米を、天照大神とすべての神々に供えたうえで自らも食べ、国と国民の安寧や五穀豊穣などを祈られる。近くそれぞれの斎田で新米を収穫する儀式が行われる。
<参考記事>
・大嘗祭の2つの斎田 栃木と京都の田んぼに決定(テレ朝NEWS、2019/09/19/ 06:11)
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000164735.html
●大嘗祭の新米を収穫する「斎田抜穂の儀」、栃木と京都(20190927)
大嘗祭で使う新米を収穫する神事「斎田抜穂(さいでんぬきほ)の儀」が、9月27日午前10時、悠紀(ゆき)斎田(栃木県高根沢町)と、主基(すき)斎田(京都府南丹市」で行われた。
▲稲を刈り取る大田主の石塚さん(左から2人目)ら関係者(2019/09/27午前、高根沢町)
画像出所:東京新聞(2019/09/27夕刊)
高根沢町では、福田富一知事ら10人が参列。特設斎場で陛下の使いである抜穂使(ぬきほし)が祝詞(のりと)を読み、白張黄単(はくちょうきひとえ)という特別な衣装を着た大田主の石塚毅男さんを先頭に、儀式を手伝う奉耕者(ほうこうしゃ)10人が斎田に入った。四束の稲を刈り取って斎場へ運び、抜穂使に検分してもらった後、稲を保管する「稲実殿(いなのみでん)」に納めた。(東京新聞より)
▲稲穂を刈り取る大田主の中川さん(左端)ら関係者(2019/09/27午前、南丹市)
画像出所:京都新聞(2019/09/27/11:58)
南丹市では、水田近くに設営された斎場に、大礼委員の宮内庁京都事務所の詫間直樹所長、抜穂使の唐橋在倫掌典、大田主の中川久夫さん、地元住民らでつくる奉耕者10人などが入った。掌典職が主基田をおはらいし、神殿に神饌(しんせん)を供え、抜穂使が祝詞を奏上。中川さんや奉耕者が主基田に移動して、稲穂を鎌で刈り取った。中川さんが三方に載せて神前に供え、抜穂使が確認した。(京都新聞より)
どちらの斎田も午後に機械を使って稲刈りをし、それぞれ187.5キロが皇居へ送られる(宮内庁が買い取る形)。来月中に、皇居・東御苑に建設中の大嘗宮の一角で、「新穀供納(しんこくきょうのう)式」が行われる。
<参考記事>
・「主基斎田抜穂の儀」を前に「大祓」厳かに 京都・南丹で儀式(京都新聞、2019/09/26)
https://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20190926000141
・大嘗祭のコメ、大田主ら刈り取り 京都・南丹で「抜穂の儀」(京都新聞、2019/09/27)
https://kyoto-np.jp/local/article/20190927000054
・大嘗祭の新米収穫 栃木と京都、斎田抜穂の儀(東京新聞、2019/09/27)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201909/CK2019092702000279.html
・大嘗祭で使う米の収穫 栃木と京都で「斎田抜穂の儀」(NHK、2019/09/27/ 12:21)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190927/k10012101511000.html
・大嘗祭で使う米収穫 京都と栃木で「斎田抜穂の儀」(毎日新聞、2019/09/27)
https://mainichi.jp/articles/20190927/k00/00m/040/239000c
◎「大嘗祭」と関連儀式など日時や次第決まる
2019年10月2日 17時54分 NHK
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191002/k10012109431000.html
◆皇后さま 馬車使われずに参拝 アレルギーのため
天皇皇后両陛下が、伊勢神宮に参拝される儀式で、馬に対してアレルギー症状のある皇后さまは、馬車のかわりに自動車を使われることになりました。
宮内庁によりますと、皇后さまは、結婚前から乗馬をされた際に呼吸が苦しくなるなど、馬に対して相当程度の重いアレルギー症状があるということです。
以前から馬が好きで乗馬を楽しむこともありましたが、その際にはマスクを二重にするなどの防護措置を取られてきたということです。
上皇さまの即位に伴う前回の同じ儀式では、上皇ご夫妻がそれぞれ馬車に乗って伊勢神宮の参道を進まれました。
今回、天皇陛下は馬車で参拝されますが、皇后さまは、体への負担も考慮して自動車を使われることになりました。(抜粋ここまで)
長年、皇室問題を見つめてきた我々は、上記ニュースが「大嘘・デマ」であることをすぐさま見抜くことができました。
過去の映像・写真などから、雅子皇后陛下がマスクをせずに馬に近づき愛でていらっしゃるお姿をいくつも拝見することができます。
また、皇后陛下のご病気が最も深刻だった時期に「乗馬セラピー」を行い「空勇号」という愛馬までいたこともよく知られているエピソードです(そもそもアレルギーがあるのに無理に乗馬を続けていたら治療やセラピーにならないと思うのですが)。
会見でも「動物が好き。乗馬が楽しみ」という発言をなさっていたこともあり、アレルギーなどなく積極的に馬との触れ合いを楽しまれている様子が伝わってくるのです。
このように雅子様が自然体で馬を愛でるお姿を明らかにする証拠はいくつもあるのに、NHKはじめマスコミは「雅子様は馬アレルギーです!」と大嘘を吐きました。NHKに至ってはご丁寧に「結婚前から」「重度のアレルギー」「二重にマスク」という具体的な文言まで掲げています。
皇室ウォッチャーは「雅子様が馬アレルギーなんて聞いたことがない、そんなわけがない」と一様に否定しました。そして宮内庁とマスコミの恥ずべき嘘に怒り心頭に発しました。
そもそも雅子様が「ご結婚前」から「重度の馬アレルギー」であることが明白であったのならもっと早い段階で報じられていたはずですし、「そういう理由があるからご成婚パレードの時も即位パレードの時も馬車が使えなかった」と正直に報じられていたはずです。しかし過去にそのような報道がされたことは一度もなく、「即位後初めての伊勢参拝儀式」の今回の報道で突如として「結婚前から重度の馬アレルギー云々」と報じられたのです。だから皇室ウォッチャーは皆びっくりし、すぐに嘘・デマだと見抜きました。
仮に上記報道が「雅子様は元々馬が好きで乗馬も餌やりも大丈夫だったが、近年突然アレルギーを発症して馬に近づくことも難しくなった」という報道であったなら、「ん?」と思いつつもそれなりに納得した人もいたかもしれません。
しかし「結婚前から」という一言を入れたがために、明らかな嘘だということがすぐに暴露されました。
このお粗末な脚本を考えたのは一体誰なんでしょうか?あまりにも頭が悪すぎるか、あるいは「国民にこのニュースがフェイクであることに気付いてほしい」というメッセージなのか?と勘ぐりたくなります。
なぜマスコミが横並びでこんなすぐにバレる見え透いた嘘・デマを流すに至ったのか。
嘘の内容を報じても恥ずかしいと思わない、後で嘘だとバレても一向に構わない、というその信じ難い姿勢は恐ろしいと思いませんか?
もし皆さんの周囲に「雅子様は馬アレルギーなんですって」と報道を鵜呑みにしている人がいたら、どうかあのニュースは嘘・デマ・フェイクであるということを伝えていただきたいと思います。
そして、雅子皇后陛下をどうしても馬車に乗せたくない・載せられない裏の理由があるということに、多くの国民が気付いてほしいと心から思います。
雅子様はご成婚パレード・即位パレード・そして伊勢参拝儀式の実に3回も「馬車の使用」を阻止されえてきたと言えるのです。
この問題について、とんでもない情報がツイッターにありました。
“茅葺きと「結」のこころを護る会”のツイートをご紹介します。
「今回の大嘗祭には間に合わないかもしれません
茅と職人というよりも経費調整が無理だと思います
しかし、幸い和田議員が、板葺きは今回一度限りもありとして最後の希望をとってくれたので、少なくともそれに向けて世論提起をしておけば、官房長官に要請を拒否された議員も動きやすくなると思っています」
また、一水会という保守グループのツイートにも以下のように書かれてありました。
「日頃『美しい日本だ』『保守だ』とうるさい政治家たちが『宮内庁に掛け合ったが取り合ってくれなかった』『今回限りという答弁は引き出した』とアリバイじみた言い訳をしている。自己正当化の体面繕いで醜悪だ。保守っぽいスローガンだけで中身が伴わない現政権を象徴するのが、大嘗宮の板葺屋根だ」
「これは何度も繰り返し指摘したいことだが『日本茅葺き文化協会』は、短期間で板葺を茅葺に葺きかえられるだけの茅の準備も職人の用意もしていた。菅官房長官の『職人の不足と期間の都合』という言い訳は、宮内役人の説明を真に受けただけの回答。お役所仕事の都合で貴重な伝統文化を踏みにじる行為だ」
もし一水会の言うことが正しければ、職人不足が理由ではなく単なる「予算削減」で茅葺を止めて板葺きにしただけということになります。
そして頑なに板葺きを変えようとしないのは、政府というよりもむしろ宮内庁が主犯だということを匂わせています。
一体宮内庁は誰の意向を受けて茅葺ではなく板葺を強行しようとしているのか??
「大嘗祭と予算削減」と言えば、秋篠宮の「身の丈に合わせて大嘗祭は内廷費の範囲で小規模に行うべき、公金をかけるべきではない」というコメントが記憶に新しいですね。秋篠宮のこの発言が、令和の大嘗祭を板葺・プレハブにするという結果につながっているように思えてなりません。
しかし非常に厄介なことに、板葺きに怒っている保守の大半がこの秋篠宮の問題発言に関してはスルーを決め、ひたすら宮内庁や安倍政権(菅官房長)の責任論に終始している点です。秋篠宮の件を俎上に上げなければこの問題を論じることはできないと思います。
私が許せないのは、「仕方ないので今上陛下の時だけ板葺きで我慢するが、次代以降(秋篠宮)はきちんと茅葺に戻そう」という案をあっさり受け入れようとしているエセ保守の連中です。
この連中は秋篠宮の問題発言をスルーするだけでなく、その秋篠宮の時から茅葺に戻せば問題ないと思うことで納得しようとしている。冗談じゃありませんよ!秋篠宮には茅葺に戻すどころか、大嘗祭そのもの、あるいは天皇即位自体許されることではないと思います。
この問題をどうか大勢の人々に拡散していただきたいです。
もし本当に宮内庁や政府が「板葺は今回限りだから!」ということを(和田議員に)約束したのだとしたら今上陛下に対してものすごい侮辱になりますし、問題発言をした秋篠宮を異様に優遇するということになりますよね。
こんなことは絶対に許されるべきではありません。
茅葺にするなら今上陛下の大嘗祭も!
板葺のままなら次代以降もそのままで!
今上陛下だけ軽んじられることにもう耐えられません。
こんなことが許されますか!?