ゴヨウツツジの会

愛子さまを敬愛しつつ皇室について学ぶ市民の集い

【新連載】疑問がいっぱい!「令和の皇位継承Q&A」その1 愛子さまは皇太子になれないのですか?

2021-05-01 22:20:07 | ニュース特集
疑問がいっぱい!「令和の皇位継承Q&A」その1
秋篠宮さまが「立皇嗣」されたので愛子さまは皇太子になれないのですか?

 2020(令和2)年11月8日、秋篠宮さまの「皇位継承順位1位」を国内外に宣言するという「立皇嗣の礼」が行われました。この儀式が終わった後、当会には「愛子さまのお立場はどうなるの?」「もう皇太子にはなれないの?」と心配する声が寄せられました。「次の天皇である秋篠宮さま」「将来の天皇の悠仁さま」などという言葉を聞くことが頻繁なため無理もありませんが、それは杞憂です。「立皇嗣の礼」は皇室の伝統にはない儀式で、法的意味もないのです。

■「立皇嗣の礼」は伝統ではなく、法的意味もないのですか?
 宮内庁は、「立皇嗣の礼」を「秋篠宮さまの皇位継承順位1位を国内外に宣言する国事行為としての儀式」であると説明しています。注意したいのは、この「順位1位」とは「暫定1位」、つまり確定していない「仮の順位1位」であるということです。
 「国事行為」として国の主催で行われたので立派な伝統をもつ儀式のようについ勘違いしてしまいますが、実際は長い皇室の歴史を振り返っても前例がなく、「前代未聞の儀式」とさえいわれています(注1)。そんな異例の儀式を、なぜか宮内庁が政府に要望し、安倍内閣が得意の「閣議決定」で国事行為としたというのが真相です。


▲宮内庁が政府に「皇嗣」の新儀式を要望したことを伝えるニュース画面(2018年1月9日、テレビ朝日)

 単なる儀式ですから、皇位継承者としての地位を確定させる法的効力があるわけではありません。この儀式を終えた今も、秋篠宮さまの継承順位1位は「暫定」のまま。つまり、「立皇嗣の礼」は、「秋篠宮さまは皇位継承順位が暫定1位になられました」ということを内外にお知らせしたという意味しかないのです。

 なぜ宮内庁と政府は、このコロナ禍のなか4000万円もの税金を投入して、そんな無意味な儀式を強行したのでしょうか? 「愛子さまを皇太子に」という声を押さえ込み、既成事実を積み上げて、「次の天皇は秋篠宮さま」であることを動かせない決定事項と国民に思い込ませるため、という見方があります。それ以外、考えられませんね。

(注1)立皇嗣の礼は「前代未聞の儀式」
・立皇嗣の礼は11月中旬?(高森明勅氏ブログ 2020/09/29)
https://www.a-takamori.com/post/200930

■秋篠宮さまが暫定1位(仮の1位)とは、どういう意味でしょう?
 秋篠宮さまは令和の御世になった2019(令和元)年5月1日から継承順位が1位に繰り上がり、「皇嗣殿下」と名乗るようになりました。しかし、秋篠宮さまは令和の天皇陛下の弟(傍系)で、子や孫(直系)ではないので、その1位は2位、3位に下がる可能性があるのです。これは、大正・昭和の皇室を振り返るとよくわかります。

<秩父宮さまの例>
 昭和天皇の弟である秩父宮さまは、大正15年から昭和8年までの約7年間、暫定的に皇位継承順位1位でした。しかし、昭和天皇に長男(現在の明仁上皇)が誕生されると継承順位は2位に下がり、次男の常陸宮さまの誕生でさらに3位に下がりました。秩父宮さまは皇位継承順位1位だった7年の間、皇嗣(殿下)などと呼ばれたことは一切なく、当然ながら「立皇嗣の礼」も行っていません。

<皇位継承は直系主義>
 戦後は憲法が変わり、皇室典範も変わりましたが、皇位継承の「直系主義」は変わっていません。現行の皇室典範でも、確定した継承順位1位となりえるのは、天皇直系の「皇太子」または「皇太孫」だけです(皇室典範第8条)。
 昭和天皇の次男である常陸宮さまは、昭和10年にお生まれになってから25年の間、継承順位2位でしたが、同1位で皇太子だった兄上(現・明仁上皇)が結婚して浩宮さま(徳仁天皇)、礼宮さま(秋篠宮)が誕生されると、順位は3位、4位に下がりました。

 天皇家の「弟」の継承順位が下がっていくのは、ごく当たり前のことなのですね。「令和の天皇の弟」である秋篠宮さまも秩父宮さまの例にならい、皇嗣(殿下)などという呼称は辞退なさるべきだったのではないでしょうか。

■そうはいっても、天皇家に男子が誕生する可能性は低いのでは?
 秋篠宮さまは確かに「暫定一位」ではあるが、今上両陛下のご年齢を考えると、愛子さまに弟宮が誕生される可能性は低いのでは? だから前例がなくとも秋篠宮さまを皇嗣とする必要があったのでは?と考える方がいらっしゃるかもしれません。しかし、ここで思い出していただきたいのは、戦後に側室が廃止されて以降、男子に限定した皇位継承は現実的なものではなくなり、皇室典範を見直す必要が叫ばれてきたという事実です。令和への代替わりは、国を挙げてその見直しをするまたとない機会でした。

<必要だった皇室典範の改正>
 愛子さまは天皇陛下の直系のお子さまですが男子ではないので、現在の皇室典範では皇太子になることはできません。天皇の弟である秋篠宮さまは男子ですが傍系であり、現在の皇室典範に規定がない皇太弟になることはできません。愛子さまも秋篠宮さまも、確たる皇位継承者(皇太子/皇太弟)となるには皇室典範の改正が必要ということでは同じだったのです。皇室典範を改正するとして、国民は継承者としてどちらを望むでしょうか? 皇位継承を「男系男子に限る」とする皇室典範第一条を変えて、女性でも皇位を継承できるようにするほうを多くの人が望むはずです。各社が何度世論調査をしても女性天皇・女系天皇支持が7-8割になるという結果がそれを示しています。

<民意も伝統も無視したゴリ押し>
 しかし、安倍政権はそうした世論を恐れ、皇室典範の改正には手を付けない方針をとりました。男系男子を絶対とする極右組織「日本会議」を支持基盤としているため、女性天皇を認めるわけにはいかなかったようです。パブリックコメントの募集も行わず、「退位特例法」のなかにこっそり忍び込ませる形で、秋篠宮さまを「皇嗣」としてしまいました。皇室の伝統も民意も無視した、まさにゴリ押しと言わざるを得ません。

■皇室典範を改正し、愛子さまが皇太子になることは不可能なのですか?
 いいえ、もちろん可能です。立皇嗣の礼が終わった後、「もう典範改正はできない、諦めよう」という声が聞かれましたが、大きな誤解です。前述のように、「立皇嗣の礼」は形式的・儀礼的行為で、皇室典範の改正を阻止する力はありません。典範が改正されて「男子」の条件がなくなれば、愛子さまが皇位継承順位一位、つまり皇太子となられます。
繰り返しになりますが、秋篠宮さまは継承順位「暫定」1位です。皇室典範が改正されれば直系の愛子さまが優先され、傍系の秋篠宮さまは継承順位2位に下がります。天皇陛下のお子さまを女性だからと無視して傍系へ皇統が移ることを防ぐことができます。民意をしっかりと反映した典範改正が行われるように、声を上げていきたいですね。


▲元皇學館大学学長・田中卓氏の著書『愛子さまが将来の天皇陛下ではいけませんか』に書かれた皇室典範改正案(215頁)

■すると、秋篠宮さまや悠仁さまは「廃嫡」ということになるのでしょうか?
 いいえ、「廃嫡」はありえません。皇室典範が改正されて女性も皇位継承が可能になり、愛子さまが立太子されれば、秋篠宮さまは継承順位2位になります。秋篠宮家の内親王がもし降嫁されていなければ、眞子さまは3位、佳子さまは4位、悠仁さまは5位になります。つまり順位が下がるだけで継承順位を失うことはないのですから、「廃嫡」は誤りです。さらにいえば、天皇直系ではない秋篠宮さまはそもそも「嫡子」ではありません。その意味でも「廃嫡」という言葉は誤っています。

■立皇嗣の礼で秋篠宮さまに授けられた「壺切御剣」は皇太子の証では?
 立皇嗣の礼で秋篠宮さまに皇太子の証である「壺切御剣(つぼきりのみつるぎ)」が授けられたので、もうその地位を覆すことはできないと主張する人たちがいます。確かに壺切御剣は「皇太子の護り刀」と言われていますが、それを持つことで皇太子になれるわけではありません。儀式後、秋篠宮さまはこの剣を持って宮中三殿に参拝できるようになりましたが、それは皇室の私的行為である「祭祀」の一環であり、何ら公的な意味はありません。「秋篠宮さまが皇室の祭祀に参加できるようになる」ということは、あくまでも皇室内部の私的慣習の問題で、公的なお立場に変動をもたらす意味はないのです。

 なお、皇位に伴う由緒ある物(三種の神器や壺切御剣など)は、「皇位とともに皇嗣がこれを受ける」と、「皇室経済法」に書かれています。これは何を意味するのでしょうか? 令和元年、『文藝春秋』編集部が宮内庁に、先帝から今上陛下に譲られた「ご由緒物リスト」の閲覧を請求しました。公開されたリストには壺切御剣が記載されていました(注2)。つまり、今上陛下が皇太子であった平成時代、皇太子の持ち物とされた壺切の剣の法的所有者は平成の天皇陛下だったわけです。したがって、令和の時代、壺切御剣の法的所有権は皇位と共に先代から引き継がれた今上天皇陛下にあり、秋篠宮さまはそれを「使用許可」されている状態といえます。壺切御剣の法的所有権はあくまでも今上陛下にあるのです。


▲「壺切御剣」を捧げ持つ従者を従えて宮中祭祀にのぞむ秋篠宮さま(宮内庁HPより)

(注2)「ご由緒物リスト」に記載されていた「壺切御剣」
・上皇から天皇に継承された宝物リストが初公開!磯田道史ら専門家が天皇家「御由緒物」を鑑定(『文藝春秋』2019年10月号)

■秋篠宮さまの継承順位を下げるのはハレーション(悪影響)が大きいのでは?
 愛子さまが立太子して、いま皇位継承順位が1位・2位である秋篠宮さま、悠仁さまの順位を下げるのは、国内外に悪影響を及ぼすのではと心配する人たちがいるようです。しかし、皇位継承に関する誤った情報を拡散して世論誘導することこそ、取り返しのつかない悪影響を将来に及ぼすのではないでしょうか。

 世界に目を向けると、欧州の王室は今やすべて、性別を問わない王位継承に変わっています。法や制度の改正で継承順位が変動になった実例(デンマークの現マルグレーテ女王の即位)もあります。敬宮愛子さまが立太子されることになれば、悪影響どころか、日本もやっと旧弊から脱し、女性が尊重される国になったと歓迎されるのではないでしょうか。「影響が~ハレーションが~」と騒ぐのは、秋篠宮さまと悠仁さまの順位が下がると困る男系男子派や、何らかの利害関係をもつ人たちだけではないでしょうか。

■秋篠宮さまから悠仁さまへの継承は「決まっている」とよく言われます
 確かによく聞くフレーズですが、決定はしていません。秋篠宮さまの継承順位1位が「暫定」である以上、息子である悠仁さまの順位2位もまた同じように「暫定」です。皇室典範が改正されて「男子」の制限がなくなれば、愛子さまが確定的継承順位1位(皇太子)になられます。多くの国民がそれを望み、実際に典範の改正が法的に可能である以上、秋篠宮家の方々はいつでも継承順位が下がることを受け入れるべきお立場です。

(文責:ゴヨウツツジの会)

※本稿は2020年にTwitterで公開された「立皇嗣に関するQ&A」を元に加筆・改稿したものです。
※腑に落ちないことがいっぱいの「令和の皇位継承Q&A」、次回は「女性宮家」に関する疑問を取り上げる予定です。

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2 コメント

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Unknown (一国民)
2021-05-03 21:07:03
ここのところ、秋篠宮家の問題があり、愛子天皇待望論が高まってきています。
女性天皇については、有識者会議のみならず、週刊誌や、通信社による世論調査も実施されていますし、週刊誌の記事でははっきりと愛子天皇に言及されています。
それを受けて、ヤフコメなどには、デモに参加したいという声が溢れています。

ゴヨウツツジの会のような、影響力のあるところで愛子様を皇太子にしようデモ呼びかけていただければ、相当数の人数が集まると思います。
私自身デモを主催したい思いがありますが、無名の一個人が呼びかけても人は集まらないでしょう。
もしデモを呼びかけてくださるなら、手続きなどはお手伝いしたいですし、もちろん参加します。
ゴヨウツツジの会の皆様、今こそ行動すべき時ではないでしょうか。
マスクをして、赤坂御所周辺で秋篠宮ではなく、愛子様
を次の天皇に!と大々的に行動を起こしませんか。
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Unknown (Unknown)
2021-05-06 21:16:57
デモ参加したいです!しかしコロナですので・・・対策など考えてみました。
*声はあげない。書いたものを掲げるだけ。(もちろんマスクもする)
*密を避けるため、ソーシャルディスタンスを取りながら、赤坂御所に沿って一列に並ぶ。

また、特に初回は、すそ野を広く参加のハードルを下げるため、たとえば、
*フレーズを反論しにくく最大公約数的なものにする。
例「殿下、多くの人は結婚の話に「納得」していません。」と赤坂御所に向けて掲げる。これだったら「眞子さまの幸せを願う国民の懇願」風といえなくもない・・・かもしれない。
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