4/3 に数学の難問 ABC 予想の証明がついに
数学論文誌 PRIMS で出版されたそうだ。
京都大学数理解析研究所の望月新一教授の研究で、
論文自体は 2012 年に投稿されていた。
ご本人の HP にも公開されている。
学術論文誌では、通常、その論文が正しいか、
掲載する価値があるか、などを同業者が確認する
査読(Review)というシステムを経て
投稿論文が掲載されるのだが、
その査読になんと、7年もかかったということだ。
理論について議論するための国際集会も
何度か開かれたらしい。超破格の論文だ。
「宇宙際タイヒミュラー理論」という理論体系を
ほぼ独力で構築されたということで、
自ら「宇宙際幾何学者」と名乗られている。
分野が同じ数学者でも、ほとんどの人には
理解不能な、革新的な理論体系らしい。
ちなみに、「タイヒミュラー」は人名らしく、
ドイツの数学者で Wikipesia にも記載がある。
宇宙際というのは、英語では "inter-universal" で、
複数の数学的宇宙?がある場合に、
タイヒミュラーの理論を拡張(一般化)した、
ということのようだ。
今回は ABC 予想だったが、延長線上には、
最大の難問と言われるリーマン予想も
射程に入っているとか。
個人的には、高校生の頃に、全くわからないながら無意味に憧れていた、
グロタンディェクの名前や、ディオファンタス幾何、などの名前も
出てきているのが感慨深く、ミーハーなので、
記念に、Kindle で解説書を買ってしまった。
ご本人の HP にも解説的なものが掲載されていて、
英語はつらいので、日本語で書かれたものをいくつか拝見したが、
まず入り口に立つためには、この文献などが良さそうで、
少しだけ読んでみている。
数学の構造を登場人物になぞらえるなど、
なんだか味わい深い。
ご本人は、5歳からアメリカで暮らし、
16歳でプリンストン大学に入学、23歳で博士を取得、
(日本では大学入学は18歳、博士取得は、通常 27歳)、
帰国後には京都数理解析研究所に入り、32歳で教授。
まさに絵に描いたような華麗過ぎるキャリアで、
まぎれもない超天才だ。
人前にはあまり出ず、
フィールズ賞などにも興味はなく、
今回もマスコミの取材に答えていないなど、
その学問の対するピュアな姿勢は、
森博嗣さんの「喜嶋先生」を連想させるが、
喜嶋先生をはるかに超えて天才的で、
「事実は小説より奇なり」を地でいっている。
ご本人のブログはこちらで、
論文査読の経緯に対する辛辣な?意見なども書かれていて、
ちょっと生々しいが、その一方で、
テレビドラマの感想なども書かれていて
純粋なお人柄がうかがえる。
この「心ある壁理論」など、面白過ぎて、
久しぶりに大笑いしてしまった。
HP の最新情報には、「安否確認情報」などもあり、
常に安否確認が必要、というのもなんだかすごいと思う。
フェルマーの定理のワイルズや
ポアンカレ予想のペレルマンもそうだが、
本当の純粋数学者は常人の想像力を超えている・・・
コロナウィルスの暗いニュースが多い中、
久しぶりに、ワクワクさせられて、
人類に対する希望を感じたニュースだった。
さて、人工知能がそこに到達するためには、
何が足りないのだろう?
と思ったら、既に望月先生のブログ
(こちらの、紅白歌合戦の感想!の最後のほう)にも
関連する考察が・・・
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