考えさせてくれる。
今回の豊島七段の勝利についても、
将棋としては、一方的になってしまったため、
そこについて批判もあるようだ。
しかし、個人的には、
事前の準備も含めて、あの状況で勝負にこだわって
しっかり勝ち切った、というところに素直に感動した。
これはつまり、
自分はどうして電王戦を見るのか?
ということだ。
自分は何が見たいのか?
人類とコンピュータのどちらが強いか、
という意味では、昨年の三浦八段とGPS将棋の対戦で
ほぼ決着が着いたという感じがしている。
最終的な決着には、現在のタイトルホルダである
羽生さん、森内さん、渡辺さんが、
事前の棋譜提供だけで七番勝負を戦って、
というようなことが必要だろうが、
それはちょっと観たいような、観たくないような。
今回の電王戦は、
1)PCのスペック統一
2)ソフトの事前貸出+凍結
という棋士側にかなり有利な設定なので、
今回の豊島さんのような勝ち方がかなりあるのでは
と予想されたのだが、蓋をあけてみると、
ソフトの隙を突くことも実際にはかなり難しい、
というレベルのようだ。
渡辺前竜王もそこについては
> 事前練習アリのルールでは棋士側の勝ち越しを
> 予想する声が多かったですし、自分もそう思っていましたが、
> 菅井五段が負けたとなると認識を改めないといけないようですね。
と素直に書いている。
人間とコンピュータのどっちが強いか、
でないとすると、何が見たくて
電王戦を観ているのだろう?
白熱した戦いの中での
「神の一手」が見たいのか??
今回については、レギュレーションの関係もあり、
それはちょっと違うという感じがする。
やはり、人間の戦う姿が見たくて観ている
としか言いようがない。
設定された条件の中で、
それぞれの人間がどのように戦うのか。
それは相手がコンピュータであっても、
人間であってもあまり変わらない。
そういう意味では、今回のレギュレーションは、
人間側にいくつかのアプローチ・工夫の可能性を与える
という意味では妥当だったのではないかと思う。
コンピュータプログラマ側も
「やねうら王」の事後学習機能
のような方向の重要性を認識したと思う。
しかし、次回の設定は難しそうだ。
やるとすれば、前にも書いたように、いよいよ
タイトルホルダーとの賞金を賭けた七番勝負、
しかないのかもしれない。
立候補するとすれば、渡辺前竜王だろうが、
賞金額が折り合わないのではないかなぁ・・・
あるいは、どこかの棋戦にソフトの参加を認める、
というのもちょっと見てみたい気がする。
この場合、あくまでも個人の戦いということで、
プログラマ側も、会社や大学の援助は無しで、
個人の能力の範囲でマシンを手配する
(賞金山分けの条件で協力者を募ることも含めて)
というのがフェアではないかと思う。
この「フェア」な戦いの条件というのもまた、
いろいろ考えるときりがないところだが・・・
追記:
ponanza の作者である山本一成さんの観戦記も面白い。
こういうふうに、いろいろな人の、いろいろな立場からの
いろいろな意見を読めるのも、電王戦の楽しみの一つだ。
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