17時前の早い終局。
薄い玉同士の薄氷の超急戦を、
一手違いなのに、ほとんど危なげなく、
先の安全を確認しながら、
万全の横綱相撲で押し切った。
スリリングな綱渡りを、
スローモーションで見ているような、
不思議な感じの将棋。
ハイライトは、一気の△3七歩成、
そして、薄氷の△4一玉だろうか。
角銀と飛車の交換で、
自分の玉頭にと金を作られる。
それでも、玉形の差で戦えるという踏み込みが、
竜王を怖れさせ、▲3八同金という弱気な手を指させた。
△3六歩から△3七歩成と一気に踏み込んだ後は、
一転して受けに回って相手の攻めを切らせるという、
羽生名人の緩急自在さが、竜王の感覚を上回った。
もしかしたら第1局で受けた痛手が
尾を引いていたかもしれない。
また、▲5二歩と王手された恐ろしい局面で、
安全そうな△同金(誰もが予想した)とはせずに、
あえて△4一玉を選んだところに、
羽生名人のこのシリーズにかける
意気込みが伝わってくる感じがした。
第一局の右玉といい、今回の居玉といい、
薄い玉を巧みに操る姿は、
穴熊に囲ってガンガン攻める、という将棋に
真っ向から異議を唱えているかのようだ。
これで3-0となり、
ここから逆転したらそれこそすごいことだが、
さすがにそれは無さそうだ・・・
ブログを読む限り、
あまりの不甲斐なさに、
竜王のテンションも完全に下がり切って
しまっているようだし、
4-0で終わってしまう可能性が
かなり高くなってしまったと思う。
実際のところ、これで対戦成績は
羽生名人の9勝4敗。ただし、
これには、ネット棋戦での反則負けが
入っているので、実質は9勝3敗。
ここから渡辺竜王が4連勝する確率は、
(3/12)*(4/13)*(5/14)*(6/15)=0.01...
約1%・・・
しかし、第4局はやはり注目だろう。
谷川-羽生の竜王戦での羽生さんのように、
死力を尽くす戦いで一矢を報いるのか、
それとも、あっさりと土俵を割ってしまうのかは、
今後の渡辺竜王にとって、
かなり大きな差になると思う。
先手の羽生さんは、一転して
相手の得意戦法に踏み込むということで、
居尾車穴熊を選択しそうな気がする。
そうなれば竜王も穴熊だろうから、
相穴熊になると予想。
さて、どうなりますか・・・
(追記)
しかし、ほんとうに痛い負けの後、
打ち上げを一人抜け出して
最終の新幹線で帰り、
それでもなお、ブログを更新する、
というのは、泣かせる。
羽生ファンとしては、もつれると怖いので
4-0で奪取してしまって欲しいところだが、
渡辺竜王にも1%の可能性に賭けて、
頑張って欲しい。
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