日々の寝言~Daily Nonsense~

女流棋士クーデター失敗?

今朝の新聞を見ていたら、女流棋士独立問題で、
将棋連盟が、残留希望者が55名中の36名に達したと発表した、
という記事が出ていた。

うーん・・・・朝から嫌なもの見たなぁ・・・
なんとも言えない、やりきれなさ、悲しさを感じる。

以下は、単なる外野の勝手な感想。

どんな説得が行われたのか知らないし、
どんな質問にどんな回答だったのかもわからないが、
どちらに義があるか、と言えば、
独立派のほうに義がある、と今でも思う。
しかし、世の中は正義で動くわけではない、
ということがあらためて示された感じだ。
まあ、あたりまえなのだが・・・

結局、独立派の棋士たちは、
形式的、手続き的には独走していなかったとしても、
気持ちの上では、浮動層とかなりギャップがあった、
ということなのだろう。

連盟との交渉の矢面に立って、
女流棋士の立場の確保にこれまでずっと苦労されてきた
蛸島先生や藤森先生、中井先生、そして、
闘い続けて自分の人生を切り開いてきた石橋先生、たちの気持ちを、
これまで、そこそこ恵まれた境遇で将棋を指してきた棋士たちが
理解できなかったのは、悲しいことだが、
ある程度はしかたないのかも、と思う。

中堅の棋士たちにすれば、どちらについても
そんなに変わらないように思えたのかもしれない。

独立した先の明るい未来を、
具体的に見せられなかったのが敗因、なのだろうが、
そういうものが見えなくても、みんなで一緒に苦労して
自分たちの居場所を社会の中に作ってゆこう、
と思う棋士が少なかった、ということが、
ひとごとながら、悲しい。

こうなってしまうと、独立派がどうするかが、
難しくなってしまったと思う。

1)独立はやめる
残念ながら、こうなる可能性もかなり出てきた、と思う。
この場合、独立に参加を表明した棋士を穏便に連盟に戻すために、
たとえば、首謀者は連盟を辞める、ということになるのだろう。
本当にこうなったら痛恨だが・・・

残留した棋士たちは、今回のことをきっかけとして、
なんとか、連盟内部での女流棋士の評価、価値が高まるように、
後処理をしっかりとしてほしい。

2)少数でも独立する
独立が成功して、連盟と対等の立場で交渉できるようになるためには、
少なくとも3/4くらいの女流棋士の参加が欲しいところだ。
そのあたりをどうクリアするのか、かなり難しくなってきたと思う。

どうなるにせよ、女流棋士会で一旦は賛成し、
今回は残留を希望した棋士たちは、
どうしてこういうことになったのか、
それがどういう意味を持つのか、
よくよく考えて欲しいと思う。
将棋ファンはその決断を忘れない。

それまでの経緯や、準備委員会の趣旨書を見れば、
「独立のための案を作るだけだと思っていた」
などという言い訳は、あまり筋が通っていない、と思う。

それにしても、この問題が、
週刊誌でまったく取り上げられていないのも、ちょっと解せない。
制約のある商業メディアよりもWeb上の情報のほうが
情報量が多くなってきていることの一例かもしれない。
マスメディアに出る情報にはこういうバイアスが有り得る、
ということだ。

追記1:女流棋士新法人設立準備会のブログには、
このようなアンケート結果が出ていた。回答数34のうち、状況によらず独立が14、
連盟が支援するなら独立が11、あわせると25という結果だ。
連盟のHPには何も載っていないのに比べると、ずっとフェアな感じがするが、
匿名でも過半数に届かないというのは、客観的にはかなり痛い。

追記2:毎日新聞によると、「準備委の関係者は
『連盟から仕事が回ってこなくなることを心配し、
心ならずも残留届を出した人も少なくない』と話している。」そうだ。

実際に、仕事の配分で残留派優遇があったのかもしれないが、
このコメントも、いろいろな意味で、ちょっと痛い感じがする。
上のアンケートとも絡むが、独立しても引き続き連盟から仕事をもらえる、
と思って賛成したのだろうか?
準備委員会もそういうつもりでいたのなら、
あそこまで過激に対立姿勢を取るはずがない。
そういうものに頼らずとも、とりあえずやってゆけるようにするための
寄付集めでもあったはずだ。
結局、そのあたりの意識差が最大のすれ違いだったのかもしれない。

追記3:連盟の数字と、準備委員会の数字を総合すると、
ぶれない独立派は15人くらいはいるようだ。
上では、悲観的なことを書いたが、
将棋をコンテンツとして活用する、という方向では、
まだまだいろいろな可能性があると思うので、
連盟があっと驚くようなビジネスモデルで、
女流棋士の明るい未来を切り開いて欲しい。

追記4:なんにせよ、分裂に至った原因の一端は
現在の連盟執行部にある。
現在の執行部が変われば、独立するにせよ、
残留するにせよ、展望は大きく変わる。

5月の理事選挙がどうなるのか、
今度は、プロ棋士たちの見識が試される番だ。
個人的には、ほんとうに勝手な感想だが、
いよいよ谷川先生の出番だと思う。

今の将棋連盟は、規模が小さい分、
ある種の社会のモデルを見ているような感じがする。
恐怖政治はこうやって存続するのだなぁ・・・
森下理事は入院してしまったようだし、
このままでは、これからもいろいろと悲惨なことが起こりそうだ。
(あくまでも、外から、そう見えるという感想です)
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