将棋ソフトの大会である電王戦の覇者が
2番勝負を戦う将棋電王戦。
4月に第1局があったのだが、
第2局が5月20日に指された。
叡王戦の覇者は、昨年羽生名人を下した
若き佐藤天彦名人。
電王戦の覇者は、このところ連覇している
Ponanza。
結果は、第1局に続き、Ponanza の勝利。
将棋の内容的にも圧倒していて、
先手でも後手でも強いことを示した。
囲碁のように、巨大なクラウドを使わずとも
少しスペックの高い PC で
既に人間の棋力を超えていることは、
これまでの電王戦の経緯や
ネット将棋でのレーティングなど
さまざまな形で示されていたのだが、
時の名人を下したということは、
やはり印象深いものがある。
コンピュータと人間の戦いという形の
電王戦自体も、今季で終了となった。
叡王戦は、普通の人間のタイトル戦
として続くことも発表された。
米長会長との対戦から6年。
とても面白いドラマを見せていただいた。
その間の将棋ソフトの棋力の向上は
素晴らしいものがあった。
Bonanza がプロ棋士の棋譜の模倣によって
強くなったことが大きなブレークスルーだったのだが、
特に、ここ数年は、自分との対戦で強くなるという技術も導入され、
コンピュータ将棋独自の感覚や世界が拡がり、
それをプロ棋士が参考にするようになっている。
今や、ソフトは、1年前の自分に
9割は勝てるのだそうだ。
まさに、指数的な棋力の向上。
この、人間の上級者の模倣 → 自分で強くなる
というステップは、人間とも同じなのが面白い。
今後、いろいろなところで同様のことが
起こってゆくのだとすると、まずは、
人間の上級者の模倣ができるかどうか、
が最初のポイントになる。
そのためには、上級者がやっていることの
データが必要だ。
将棋の場合には、数万局のデータベースが存在していたし、
アマチュアの上級者のネット対戦データも含めれば、
もっとたくさんのデータが使えたことが、
ブレークスルーの一つのきっかけになっている。
たとえば、医療の診断などは、問診や検査と診断、処方の
データが存在していると思うので、
同じようなことが起こる可能性があるのかもしれない。
もちろん、人間の体は、将棋よりもずっと複雑だし、
将棋のように電子的に対局するようなこともできないから、
問題としてはずっと難しいのだが・・・
将棋連盟のみなさま、コンピュータ将棋の関係者のみなさま、
そして、スポンサーを買って出て、運営にも苦労された
ドワンゴの関係者のみなさま、とても面白いイベントを
どうもありがとうございました。
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