世界史を、疫病の役割・意義という
側面から概観するという、
なかなか面白い本だ。
まだ読み始めたばかりで、
人類が生まれて、狩猟から農耕に至る
あたりまでしか読んでないのだが、
ゆっくりとした進化が作り上げていた
生物間のバランスを
急激に文化的進化をする人類が
破壊してゆく様子がよくわかる。
* * *
狩猟生活では、協力することも必要だが、
獲物を奪い合うために、仲間やほかのグループの
裏をかくようなことも必要だ。
農耕生活では、協力するほうが重要で、
仲間の裏をかくようなことは
あまり必要とされない、というか、
戒められるのが普通だ。
狩猟生活では、新しい狩場を開拓して、
それに対処してゆくということも必要だ。
農耕生活は、基本的に定住だ。
農耕でも新しい農地の開拓はあるが、
その頻度はかなり小さい。
このように、基本的に異なる生活様式なので、
そこで生まれる文化や人が
かなり異なることになっても不思議はない。
日本人は農耕型のメンタリティが多いのだろう。
安定を尊び、じっと我慢して自分の土地を守る。
グローバル競争の時代には滅びゆく種族だ。
もちろん、日本人にも、
狩猟・漁労の人たちはいるので、
生態系のバランスが変わるだけだが。
というようなことを
読みながら考えた。
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