動画が公開されている。
工学系研究科主催なのに、
東大総長が開会をして
岸田首相が挨拶するという
力の入り具合がすごい。
一般向けシンポジウムなので、
あまり新しい情報や
面白い話はなかったが、
論点はいろいろ出ていて
参考になる点もあった。
1つ目のパネル
「生成 AI が拓く未来」
孫さんのひたすら楽観的な
ビッグピクチャーは
良くも悪くもさすがだが、
個人的には、やはり、
シェイン・グゥさんの話が
もっと聞きたかった。
> OpenAI の研究者のトップは Ilya Sutskever
> OpenAI 創業者の一人でチーフサイエンティスト
> (シェインさんが)その下でインターンをしていた7年前に
> (既に) GPT-4 について語っていた。
> なぜ彼が、なぜ OpenAI が、
> 革新的なところに行き着けたのか?
> DeepMind や Google Brain なども
> 観てきたことを踏まえて、
> そこでの人材のインフラについても
> 触れられることがあればお話したい。
これが一番重要な論点だと思う。
なぜ Google ではなく、
OpenAI だったのか?
いくらお金を注ぎ込んで、
GPU をたくさん買っても、
優れたリーダーと優れた人材がいなければ、
ドブに捨てることになる、というのは、
マイナンバーカードを例にあげるまでもなく、
枚挙にいとまない・・・
後追いだから、
Sutzkever さんほどでなくても
なんとかはなるのだろうけれど・・・
司会者の方(宮川さん)
の仕切りは良かったのだが、
せっかくシェイン・グゥさんに
リアルで参加いただいているので、
もっと時間がとれると良かったと思う。
2つ目のパネル
「行政機関における生成 AI の利用と課題」
は、このテーマに沿って話す人がいなかったが、
村井補佐官の踏み込んだ発言が目立った。
産総研の ABCI を
2EFLOPS ?増強すると言っていた。
民間の計算資源も、補助金で増強して
インフラ整備するという。
富嶽の話は出なかった。
司会の方に誘導されて、
年間 40+ 兆円である医療費も
生成 AI アプリで削減、
という可能性にも言及されていた。
確かに、そういう形で
効率化が進むのであれば、
1兆円くらいは簡単に
ひねり出せそうだが・・・
3つ目のパネル「広島 AI プロセスについて」
では、松本総務相の
自由な競争とガバナンスは
補完的なもの、という話が印象に残った。
これも重要な点だと思う。
良いルールがなければ、乱闘があるだけで、
フェアな競争や発展はないのはそのとおり。
しかし、須藤さんや宍戸さんの話からも
窺えるように、国際的ルールづくりは
かなり大変そうだ。
「広島 AI プロセス」というのは
「京都議定書」みたいなアピール
なのだろうが、日本が何らかの役割を
果たせたら良いと思う。
最後のパネル
「生成 AI と研究・教育」
では、司会の坂田一郎先生の
仕切りが良かったが、
情報理工から、
自然言語処理が専門の
宮尾先生が参加して、
冷静に話をされているのが印象的。
太田さんの使い方の話、
柴野さんの、研究・教育における
生成 AI 利用に関する著作権上の課題の話は
具体的でわかりやすかった。
マイクロソフトではなく、
グーグルの方が参加しているのは
なぜだろう?
と思ったのだが、そういえば、
東大の情報インフラは
Google だったような。
メールも Gmail だと思う。
もうひとつ、そういえば、
グーグルは、
Transformer の特許を取っているのだが、
これを行使するようなことは
あるのだろうか?
というわけで、一通り見たのだが、
動画の視聴は時間がかかるので、
興味のあるところだけ飛ばして見られるように、
生成 AI で書き起こしたもので
インデックスをつけておいてもらうと
ありがたい。
こういうのも、そのうち
YouTube がプレミアム会員用に
提供してくれるのかもしれないが。
いずれにせよ、動きが早いし、
日本の未来がかかっているのは確かなので、
今後も見守ってゆきたい。
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