日々の寝言~Daily Nonsense~

Bruckner Symphony No. 7 in E Major, WAB 107, Münchner Philharmoniker · Valery Gergiev

Symphony No. 7 in E Major, WAB 107: I. Allegro moderato (Live)


Symphony No. 7 in E Major, WAB 107: II. Adagio. Sehr feierlich und langsam (Live)


Symphony No. 7 in E Major, WAB 107: III. Scherzo & Trio (Live)


Symphony No. 7 in E Major, WAB 107: IV. Finale. Bewegt, doch nicht schnell (Live)


ピアニストの反田さんの
ラジオ番組を YouTube を聴いていたら、
ヴァイオリニストの島方暸さん
(現、ジャパン・ナショナル・オーケストラ)
が、ミュンヘンフィルに滞在した時のことを
話されていた。

その中で、お薦めの一曲として、
ブルックナーの7番が挙げられて、
ゲルギエフがミュンヘンフィルと
全交響曲を録音していたことを知った。

しかも、すべて聖フローリアン修道院
でのライブだ・・・

さっそく、YouTube で
一番好きな7番を聴いている。

うーん・・・

チェリビダッケの伝統も受け継ぎつつ、
完全にゲルギエフの演奏になっているのが
当然とはいえ、面白い。

テンポはとてもゆっくり。
これは聖フローリアン修道院の
音響も影響しているのかもしれないが、
楽章によっては、
チェリビダッケの演奏よりも
遅いかもしれない。

響きもとても丁寧に構築されている。
ミュンヘンフィルの、
分厚いのに、細部まではっきり聞こえる
魔法のような響きは、
録音技術の進歩もあるのか、
さらに洗練されている感じだ。

違うのは、とてもとても
ロマンティックで
パッションに富んでいる
点だろうか。

とても繊細なメロディーや音色の扱い、
そして、流れてゆく音楽全体の空気が、
とてもロマンティックで、
ロシアを感じさせる。

あるいは、カラヤンの耽美と
チェリビダッケの構築を
融合させたような演奏、
とも言える???

聴き慣れたチェリビダッケの演奏のほうが、
この世のものでない、というか、
ほぼ完全に「情緒」を排した
異次元の「音楽」という感じが強くて好きだが、
これはこれで、とても感動的だし、
チェリビダッケを聴かずにこれを聴いたら、
虜になっていたのではないかとさえ思う。

特に、3楽章のスケルツォは、
チェリビダッケの指揮ではわりと
あっさり演奏されるのだが、
A-B-A の A と B の対比が素晴らしく、
B の抒情が心に浸みた。

4楽章も良いと思う。
聖フローリアン修道院の残響も活かして、
スケールが大きい。

数あるこれらの楽章の演奏の中でも
白眉だと思う。

4番もかなり良い。

全集の CD が出ているので
買おうかどうしようか迷う。

ゲルギエフは、プーチンとの関係で
2022年3月に解任されてしまったので、
この演奏を生で聴く機会は
永遠にないかもしれないというのは、
とても残念なことだと思う。
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