日々の寝言~Daily Nonsense~

石川淳「普賢」

片岡さんをきっかけとして、
昔よく読んだ人の作品を Kindle で検索していたら、
石川淳の「普賢」が見つかった。

確か、初期の作品で、
芥川賞受賞作だったと思う。

独特の、読点で長々とつないでゆく文体を
久しぶりに堪能している。

よくわからないが、
落語に近いものを感じる語りだ。

他にも、晩年の「狂風記」なども
Kindle 化されているようだ。

こちらのブログは難しいが、
石川淳のいい写真が載っている。

ここでは「狂歌」と言っている。

五・七・五ではないが、語りの独特のリズムは、
連歌や、おっぺけぺ、などにも通じている
のかもしれない、と言ったら無茶苦茶か?

なんにせよ、読んでいて気持ちが良い。

晦渋なモノローグは、
カズオ・イシグロも連想させる。

というのはどうなのだろう?
と思って検索すると

こんなブログが見つかった。

石川淳、福永武彦、カズオ・イシグロって、
かなり同じなんですけど。

 * * *

ところで、石川淳が「普賢」で芥川賞を受賞した
第4回芥川賞(昭和12年)では、
富沢有為男という人が「地中海」という作品で同時受賞している。

どちらも30代の作品。

その顎、石川淳は大家となったが、
富沢さんという人はあまり聞かない。

amazon で検索すると、
若草物語の子供向けの翻訳などをしているようだ。

調べれば、芥川賞を取った後で、
どれくらいの作品を出版したか
という統計もあるに違いない。

人の才能、将来というものは、
どれくらい予測できるものなのだろう?
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