国会中継(参議院予算委員会)を見た。
民主党新緑風会(って小沢さんの会派?)
の森ゆうこ議員が、
学校校庭 20mSv/年問題を追及している。
20mSv/年は、2日から4日くらいに一度
胸部レントゲンを撮影しているような状況、
という指摘はインパクトがあった。
放射線作業従事者が白血病の労災認定されたケースで
最低の被曝量は 5.2mSv だったというのも。
(こちらは一時的な強い線量による被曝なのだろうが、
250mSv/年というような作業員基準とかなり隔たりがある)
対する高木文部科学大臣の答弁は、
「われわれは安全委員会の専門家の助言を受けてやっている」
その安全委員会で20mSv/年がどのように議論されたか
については、議事録もなく、
まさに責任者不在という批判がぴったりの状況だ。
さらに、安全委員長の斑目さんは、
「われわれは 20mSv/年を浴びても良いと言っているわけではない」
高木文部大臣は
「3.8μSv/h 以下なら安心して生活してください」
ぜんぜん食い違っているのだが・・・
今後の対応についても、
「モニタリングして必要なら措置をする」
と言うだけで何も具体的に約束しない。
なんで、既に表土の除去等の除染を検討していて、
一週間以内に実施を開始する、
くらいのことが言えない???
そのモニタリングも二週間に一回報告って、
どうにもこうにもまったく誠意が感じられないなぁ。
なぜ毎日報告にしない???
放射線管理区域との食い違いについては、
「放射線管理区域の基準は、高いレベルの放射線源がある場所で、
慎重を期すための基準なので、今回のケースとは比較できない」
「内部被曝は外部被曝の 2% 程度」って、
どういう条件での数値??
校庭で遊んで埃を吸い込む、
は考慮されている?
たとえば、今回の事故での東電女子社員の
被曝量データとあっている?
5年経てば真実がわかるのではあるが・・・
休日中ということで、多くの国民の目に
晒されているのに、こんなことでは、
ますます政治不信が強まるばかりだ。
* * *
それにしても、冗長な議論や
噛み合わない質疑と答弁が多くて、
見ていて苛々してくる。
コンパクトにまとめたものが欲しい。
ポイントは、
誰の質問・提案によって、
政府がいつまでに何をすると約束したのか。
もちろん、個々の項目についての
後日検証も含めて。
たとえば、
> 内閣の責任において、お盆の頃までに必要な人が
> すべて仮説住宅に入れるようにする。
ちょっと考えただけだと、
とかなり難しそうな情勢と思うのだが・・・
また政治主導の空手形じゃないよね。
たとえば、この資料によると、阪神淡路大震災のときは、
兵庫県全体で約5万戸が建設されたが、
用地確保などの問題があり、
震災発生直後の1月から6月にかけての
段階的な発注になっている。
こらから考えると8月までは不可能ではなさそうだが、
建設規模の違い、用地確保の困難さ、
建設資材の不足、などの問題も考えると、
かなり厳しいハードルだ。
それに、利用者の利便等を考慮せずに拙速に建設して、
かえって無駄が出たりしそう。
年金記録つきあわせ、普天間基地移設、などと同じく、
現実的に無理、あるいは筋悪なことを
妄想に基づいて「やります」と言うのが政治決断だと
勘違いしていなければよいが・・・
内閣の第一の顧客は官僚である。
を忘れないで欲しい。
いずれにせよ8月には答えが出るので
検証を待ちたい。
> 農産物等の被害について、原発事故と相当な因果関係があれば、
> 補償の対象になる。
事故がなかったら起こらなかったであろう風評被害は
すべて補償の対象になるということ?
> 二週間に一回、学校での線量のモニタリング報告を受けて、
> 必要であれば措置をしてゆく
措置が必要であるか否かの基準は?
そこでも 20mSv/年が基準になるのなら、
安全委員会の「1mSv に向けてできるだけ減らす努力をするべき」
という答弁と食い違っている。
ところで、海江田さんが答弁で
> 東電の社債の利子を生活費にしている人もいるのでつぶせない
という旨を発言したというのは本当なのだろうか?
本当だとすれば、ひどい話だ。
そんなの理由になるわけない。
どうせ最終的には将来の税金か電力料金から
補償をするしかないのだから、
国民負担を減らすには、
東電は100%減資して、社債もデフォルトして、
発電と送電を切り離して
新しい発電会社を作るのが一番なのは明らか。
もしも東電株が紙切れになり、
社債がデフォルトしたら、
年金基金や銀行がどれだけ損失を出すのか?
をきちんと示して議論して欲しい。
追記:
国会中継直後の「のどじまん」、
1番の人があまりにシュール・・・
最新の画像もっと見る
最近の「政治・経済・行政情報」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事