今日、最終局の第3局が行われた。
羽生名人は、一昨日に、丸二日かけて
陣屋で王位戦の第6局を戦ったばかり。
むちゃくちゃハードなスケジュールだ・・・
一ヶ月に一度くらいしか対局がない棋士も
多いというのに。
振り駒で木村八段の先手。
本局で挑戦者が決まるとあって、
お互い、すごく慎重な立ち上がりから
穴熊に囲いあう持久戦となり、
押したり引いたりの神経を使う長い序盤が続く。
しかし、木村八段が千日手模様を打開してからは、
将棋の流れが一気に急流となり、
終盤へと雪崩れ込んだ。
そこからの羽生名人の相手の穴熊への
鋭い攻めが鮮烈だった・・・
穴熊の終盤は、金銀の打ち合いになって
千日手模様がぐずぐずと続くことも多いものだが、
そんなことはしなかった。
まず、自らの穴熊を大胆に崩して
相手の玉頭に拠点を築く。
そして、木村八段の一瞬の隙を見逃さずに
その拠点から相手の急所へ
鋭い連続攻撃を加える。
堅く囲われていたはずの先手玉は
あっという間に丸裸にされて、
穴から出てこざるを得なくなってしまった。
その後も、最後までまったく緩まずに踏み込み続けて、
受けでならす木村八段になにも仕事をさせず、
まったく危なげなく押し切ってしまった。
穴熊は、横からの攻めには強いが、
縦からの攻めにはそれほど強くない、
ということなのだろうが、
それにしても鮮やか。
全体としても見ごたえのある熱戦だったが、
特に終盤は、羽生ファンにとっては、
何度でもリプレイして見たいような棋譜になった。
木村八段のほうにもプレッシャーはあったと思うが、
そうは言っても、羽生名人がひとつミスをしてしまえば
終わりなわけで、この一番をきっちりと勝ち切ったのは、
なんとも強い、と言うほかはない。
これで、ついに、
ほとんどの将棋ファンがここ数年の間待望し、
夢にまで見た、渡辺-羽生のタイトル戦が、
初代永世竜王+羽生さんの永世七冠を賭ける、という
最高に盛り上がる状況で行われることになった!!!
2008年は、名人戦、竜王戦ともに、
最高棋戦の名にふさわしい盛り上がりになった年として、
棋史に残ることになるだろう。
初戦は10月18日から、
フランスはパリでの海外対局。
それまでの間に、
最終局までもつれている王位戦を勝ち、
さらに、王座を防衛すれば、
羽生名人の六冠目も賭けられることになる。
渡辺竜王も気合十分だと思うので、
熱戦を期待します。
そういえば、吉田三段はフリークラスへの昇段を決めた。
早速の活躍が期待される。
上のHPの昇段の写真も、
他の新四段はネクタイしているのに、
ラフな格好なのが、らしくていい^^;
活躍といえば、新人王戦では、
星野三段が決勝進出・・・
さすがに佐藤天彦四段には
勝てないと思うが、
今の奨励会三段の激戦ぶりを
示す出来事だろう。
将棋界は公益法人制度改革で大変なようだが、
とりあえず良い意味で話題になるような
出来事が多くてなにより。
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