「内閣府特命顧問も務めた経済学者の島田晴雄氏」
の記事だが、残念ながら、延々と批判は書いてあるが、
解決策はあまり書いていない感じがする。
というわけで、少しだけ考えてみた。
経済が成長しない根本原因は需要が少ないことだと思う。
その要因は、既に言われているとおり、
いくつか考えられる。
1)超高齢化、少子化社会
高齢者は基本的にそんなに消費しない。
戦時下や戦後すぐの混乱に較れば現状の日本の生活でも大満足で、
新しいサービスは使わない人が多い。
高齢になるとリスク回避性も高くなるので、貯蓄残高を気にする。
その結果、社会の需要は縮小している。
2)情報の経済の軽視
消費の対象が「もの」から「情報」に移行した
経済のトレンドを全く無視した経営や経済政策が行われた。
「もの」の消費には限界があるが、
「情報」の消費はまだ余裕があった。
また、情報を売る仕事は、AI などの先進 IT技術
の恩恵を一番受けやすかった。
3)日本人のリスク回避特性
日本社会のコンプライアンス過剰や、
COVID-19 への対応を見ても明らか。
失敗することが嫌われて、
ちょっとした失敗でも
一斉に叩かれて、出世が絶たれる。
出る杭も打たれやすい。
村社会で遺伝的に選別された
結果なのだろうか?
この結果、思い切った投資や、
スタートアップ設立など
のリスクを取れる人が少なく、
現状維持的な人が出世する。
4)日本語の壁
国内サービス=グローバルなサービスの
英語圏やスペイン語圏と異なり、
国内で成功してもグローバルでの成功には壁がある。
国内経済が縮小しているので、グローバルを相手にしないと
ある程度以上の成長はできない。
* * *
処方箋は、需要、消費を作り出すことだが、
たとえば、高齢者への公的サービスを減らして
(所得ではなく、資産に応じて医療保険自己負担を増やすなど)
高齢者の過剰な貯蓄を放出させるとともに、
少子化対策に思い切った策(子供1人あたり 1,000万円、
とか、税金優遇、教育全額無料などなど)
を打ち出すことは考えられる。
しかし、高齢者のほうが人口が多いので、
選挙のことを考える政府が打ち出すのは難しい。
(※後期高齢者の自己負担は 10月から
やっと 2割になるようだ)
その結果、超高齢・少子化 → 経済のシュリンク → 子供産まない・・・
新しいサービスを使わない→良いサービスが生まれない→・・・
の悪循環が延々と続いている。
この蟻地獄からは抜け出せないのが日本の 30年で、
金利を下げていくら社会にお金を溢れさせても、
貯めこまれたり、株が高くなったりするだけ、
ということを検証したのだった。
「コンクリートから人へ」で
インフラ投資をやめたのも
結果的にはあまり良くなかったのかもしれない。
今や日本のインフラは老朽化が著しいが、
自力ではそれを更新する余力がなくなってきている。
大規模停電、穴だらけの道路、
シャッター商店街、すぐに買えない車、スーパーの空いた棚、
どこかの国を笑えないレベルになりつつあるような・・・
10年後にはどうなっているのだろう?
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