日々の寝言~Daily Nonsense~

間違いを認める勇気

今日は第二次世界大戦の終戦記念日で、
NHK では多くの戦争関連の
プログラムがあったが、その中の一つ
「ビルマ 絶望の戦場」を見た。

補給を無視した無謀な
インパール作戦で負けた後、
終戦後まで負け続けた
日本軍の戦争を多くの資料に
基づいて検証していた。

その中で、イギリス人の司令官の
日本軍の司令官に対する印象として
「道徳的勇気の欠如」という言葉が
語られていた。

要するに、間違いを認めて
作戦を練り直す勇気、
ということなのだが、
この「無謬性へのこだわり」は、
日本人の多くの失敗の本質に
かかわる、日本人の特性の一つ
なのかもしれない。

主人公が「わたし、失敗しないので」
というドラマが未だに人気を集めている
ように、日本人は、失敗を嫌う
という傾向が強い。

それは、リスクを避ける、
コンプライアンスを過剰に意識する、
ということにもつながる。

もちろん、誤りや失敗は
できれば避けたいものだが、
変化し続ける、正解のない状況
においては、誤りや失敗をしない
ということにこだわることは
得策ではない。

「誤り」があるということは
「正解」があるということであり、
安定的で規範のある状況を
前提としている。

そういう社会では、
誤りなく規範的に生活する人が
高く評価され、規範からはずれる人は
失敗として指弾される。

しかし、そうしたシステムは
戦争のような状況では
うまくゆかない。

そこでは、正解することや
辻褄をあわせることよりも、
失敗を繰り返しつつ
できるだけ良い成果にたどりつく
ことが重要だからだ。

自らの失敗を認めることに
非常に大きな勇気が必要な社会は
結果として、自らの強みにこだわり、
変化を嫌うことにつながる。

失われた 30年もまた、
この「傾向」と
関係があるのかもしれない。
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