平日の夜ということで、
さすがに空いていた。
期待を裏切らない、
良く出来た映画だった。
本木さんの演技力が素晴らしい。
映画全体の演劇空間を完全に支えていた。
そこに、山崎さん、余さん、吉行さんらの
脇を固めるメンバーがしっかりと絡む。
テンポ良く展開する脚本。
手堅く感動的な音楽。
テーマの意表さと、
作りの職人的な手堅さが
高い評価の理由ではないかと思う。
* * *
死は偏在している、
ということを改めて思った。
そして、死には、
安易な意味づけや総括を拒む
何か絶対的なものがあると思う。
後に残された人ができるのは、
丁寧に「おくること」「悼むこと」
だけなのだ。
その一方で「死は穢れ」
という考え方もあるわけだが、
これだけ偏在している重要なものを
「穢れ」という形で過度に隠蔽してしまうのは、
やはり不自然なのではないだろうか?
もちろん、過度に露出する必要もないが、
今の世の中は、隠蔽が強すぎるような気がする。
不必要に荘厳化・厳粛化するのも、
隠蔽と同じことの裏返しだ。
あえてステレオタイプに荘厳化しなくても、
きちんとまじめに向き合いさえすれば、
人の死とは十分に荘厳なものであるはずだし、
それがあたりまえであって欲しい。
そうした「死」があるからこそ、
「生」が引立つ。
「死ぬつもりがないなら、
食わなくちゃならない。」
「どうせ食うなら、
うまいほうがいい。」
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