歴史家の磯田先生、
イタリアとゆかりの深い漫画家の
ヤマザキマリさん、
感染学者の山本太郎先生
が対談する番組を見た。
コロナウィルスが人と関わるように
なったのは、牧畜が始まった頃からで、
それ以来、大規模な流行は7回くらいあるのだが、
そのうちの3回(SARS, MARS, COVID-19)が
この 100年以内に起こっているという。
人の交流の密度が増えたことや、
開発や気候変動でコロナウィルスの宿主である動物の
生態系が脅かされていることなどが
大規模感染の頻発を招いているらしい。
自然の脅威などと言うが、結局、
人間の欲望が招いた厄災でもあるのだ。
それにしても、ペストはともかく、
スペイン・インフルエンザの流行も
悲惨だったらしい。
大きな波が2回あり、
2度目のほうが毒性が強くなっていたとか。
東京大学でウィルス学を研究している
河岡義裕先生も登場されたが、
スペイン・インフルエンザの
コロナウィルスは、史上最強の毒性を
持っていたのだが、どうして毒性を持つのかは、
未だに解明されていないと言っていた。
その性質を調べるために、
わざわざ永久凍土から死体を掘り出して、
ウィルスを復活させたというのもすごいが・・・
河岡先生の「感染症というのはコントロールしやすいんです」
「感染している人に近づかなければ、感染しない」
というのはわかりやすかった。
問題は、誰が感染しているかがわかりにくいことだが。
というわけで、科学技術が進んでも、
一番確実な感染拡大予防は、
社会的距離を大きくすること、
なのだそうだ。
そこを強化するための緊急事態宣言、
ということなのだろう。
それにしても、ウィルスというのは
いろいろ不思議だ。
たとえば、猛威をふるうウィルスは、
なぜ消えてしまうのだろう?
感染地域の中の一定の割合の人が
感染して免疫ができると、
感染の鎖がつながりにくくなるので、
増殖できなくなる、と説明されるのだが、
しかし、しばらく鳴りをひそめてはいても、
また新しい世代と交代した頃に
復活してきてもよさそうな気はするのだが。
普通のインフルエンザのように、
消えないで変異しつづけるものもある一方で、
スペイン・インフルエンザのように
消えてしまうものもある。
番組では、今回の大規模感染は、
人類の歴史にどんな影響を与えるのか、
100年くらい後から振り返ると、
何が見えるのだろうか?
とう点も論じられていた。
中国の台頭のきっかけ?
監視社会の始まり?
それとも、社会的連帯の始まり?
「サピエンス全史」のハラリさんが、
Financial Times に寄稿した文章で、
人類は、全体主義か自由主義か、
国家主義か連帯か、の選択を迫られている、
と言っているそうだが、
こうした人類史的なスケールで
今回の感染爆発を少し離れて見てみる、
ということも、精神衛生には
良いかもしれない。
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