隠地妙の仕事

少し前に上野の庭園美術館で個展をしていたのを
たまたま見た友人が、画集を見せてくれた。

作家のサイン入り。
いいなぁ・・・

オリジナリティの高い抽象画で、
スタイルはいくつかあるが、
「線」をすごく大事にしている。

友人が言うには、
カオスなどの非線形系を使って
コンピュータで作った絵と、
結果的に似ているのがおもしろかった、とか。

確かに、ひとつひとつの線の力などをとりあえず棚上げして、
全体的な印象で見ると、カオス的遍歴のプロットや
マンデルブロプロットに似ているかもしれない。

こういう見られ方は作者にとっては本意ではないだろうが、
何か、我々の心、あるいは生命全体の奥深いところに潜んでいる、
そういった構造を、汲み出してきているようにも見える。

面白かった。

震災に触れて描いた絵もあって、
そのうちのひとつに、
とてもエロティックな印象を受けた。

たぶん作者は意図していないのだろうが・・・