いろいろな意見が交わされているようだ。
批判するくらいなら最初から受賞辞退すべきだった、という意見。
よくやった、感動的だった、という意見。
保身的、日和見的スピーチだ、どうせならもっと過激な
パフォーマンスをすべきだった、という意見
などなど。
自分の意見は?
日本でぬくぬくとしている身として、
日和見と非難することは絶対にできないが、
かといって、感動して賞賛する必要も無いと思う。
村上春樹さんは、自分ができるだけのことを
全力できちんとやった。それだけ。
自分だったらどうしただろう?
(まあ考えてもしかたないけど)
たぶん受賞拒否はしないと思う。
一方的にパレスチナに肩入れしている
ことにされるだろうし、
後に続くべき日本の作家のことも考える
かもしれない(自分への言い訳的に)。
かといって、世界にインパクトを与えるような
パフォーマンスをする勇気も智慧も無い。
結局、受賞しに行って、
当たり障りの無いことを言って終しまい、
だと思う。
なので、その意味では、
一石を投じただけでも
さすが村上さんだと思う。
しかし、その一方で、
いかにも村上さん的な中途半端さだ、
とも思う。
結局、旗色を鮮明にせず、
中立的態度を保ちながら、
人間としての原理的なマキシムを説くことで、
自分を安全地帯に置いた感はある。
こういうところが
歯がゆくてたまらない、
という人もいるとは思う。
しかし、この中途半端さ、煮え切らなさこそが、
村上さんをこれだけ世界中で読まれる作家に
しているのだと思うし、とかく言葉で白黒つけたがる
世の中において、貴重な存在にしているのだと思う。
村上さんには、ぜひ、
イスラエルで何が起こっているのか、
その目で見たことをどこかに書いて欲しいものだ。
追記:
ほぼ全文が掲載されているページが紹介されている。
ただし、オープニングやクロージングの部分などが、
他で報道されているものと少し違うので、
もしかしたら原稿なのかもしれない。
こちらの方の翻訳も秀逸。
で、全文を読むと、
抄訳とはかなりニュアンスが違っていて、
とても秀逸なスピーチだと思う。
もちろん、いかにも知識人が言いそうなこと、
というところは越えられてはいないのだが、
でもだからなんだというのだ?
という気持ちもする。
それに、池田さんのブログのコメント
にも書かれていたように、
「壁」の村上さんにとっての意味
を知っていれば、また感動も深くなる、
という仕掛けもされている。
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