生まれ育った町には大きな川が流れています。
毎日の暮らしの中で、渡らない日や見ない日があったのかなぁと考えるほど 川は近くにありました。
川は 季節で色々な顔をみせます。
春 川の中州には枝垂れ柳が葉を付け その格好は、「うらめしや〜」そのものでしたが、冷たい雪解け水がキラキラ跳ねて美しい流れでした。
夏 鮎釣りと川遊びの人で それはそれは賑やかな景色でした。赤ちゃんから、おじいさん、おばあさんまでみんなが集まっていました。
夏休みは、学校のプールよりも人気があって、今では考えられませんが、仕切りも目隠しもない橋の下でみんな着替えていました。
川の人気の理由は、箱メガネと被せ網で小さな雑魚を捕ったり、岩から飛び込んだり、石を岩にこすって削り、それを水に混ぜた泥の様なものを背中や腕にペイントしたり、、、誰が一番綺麗な石を見つけて拾ってくるか競争などなど、数え切れない程の遊びがあったからです。
花火も綺麗でした。
秋 川の中州に色々な物を持ち込んでおままごとをしました。それを「基地」と呼んでいました。
台風や大雨の時は、コーヒー牛乳の濁流が近寄れない程の迫力で唸っていました。怒りに見えました。
冬 雪深い町には、融雪パイプや融雪剤では追いつかず、深夜、早朝の除雪機出動が当たり前でした。その雪たちの行き場は、川でした。その雪で広場が出来上がったかの様な年もあり、雪が少なく中州にふわっと丸い雪が積もる程度の年もありました。
橋は、除雪してもしなくても、カチカチに凍るので、全身に力を入れてシュシュシュっとコツを掴んだ歩き方をしないところびます。
そんな川の流れる町で 育ちました。
今では、お盆と12月半ばに帰省するだけです。