人は誰もが心の奥底にあぶりをかくしている。
生まれてから死ぬまで、そして死んだ後ですら、あぶりはかくされる。であれば、
知らず知らずのうちに、そのあぶりが、心の外に漏れ出すのは致し方のないことだ。
だがそのとき、
あぶりの言葉を聞いてはいけない。
あぶりに私の言葉を聞かれてはならない。
あぶりは熱いあぶりは冷たい。
あぶりは暗いあぶりはまぶしい。
あぶりはあぶり。あぶりはあぶりではない。
十七時二十九分うれしいな 一割四分の確率で金
三匹の仔豚は幸せになりました 狼はたぶん過呼吸で絶
子羊といえども七匹一丸となりて戦え勝つかつよ
勝ったとて嘘をつく子はゆるすまじ 金めのものは置いてゆけなり
ありはいる きりぎりすもいる 冬はくる 生きるも死ぬもさだめなりけり
そういえば 宇宙ができた頃のこと 宇宙ができた夢をみたころ
赤鬼は赤い実たべた青鬼は青い実なくて貧血なのかな
吾輩はたぶん猫のようなもの 概念的な猫と思われ
遺伝子は遣唐使にも行ったかな 苗字は小野かな与謝野なのかな
命の実たべていたならこの世には死なない馬鹿であふれていたの
知恵の実をたべていたからこの世にはすぐ死ぬ馬鹿しか残らなかったの
おわり