十一月 一日（日）晴 賑やかなショーウインドウモンブラン（モンブラン）
十一月 二日（月）雨 赤ワインまろやかに葡萄の薫る（葡萄）
十一月 三日（火）晴（文化の日）柿の生る太郎か次郎か葉も朱く（柿）
十一月 四日（水）晴 栗のせて焼けるケーキに陽が沈む（栗）
十一月 五日（木）晴 傍らにいつも一緒の銀杏の実（銀杏の実）
十一月 六日（金）晴 青蜜柑甘きものあり熟すもあり（青蜜柑）
十一月 七日（土）晴 松茸のからり天婦羅夕あかり（松茸）
十一月 八日（日）雨（立冬）大根を煮れば煮るほど柔らかく（大根）
十一月 九日（月）曇 開かれて干されてさんま裏表（さんま）
十一月 十日（火）曇/雨 大根の葉を落とされて水弾く（大根）
十一月一一日（水）曇 忘れてはまた繰り返す根深汁（根深汁）
十一月一二日（木）曇/晴 夢ときえ叶わぬ夢と冬林檎（冬林檎）
十一月一三日（金）曇 納豆の朝餉のしめと茶を啜る（納豆）
十一月一四日（土）雨/曇 冬りんごかじれば歯の浮くほど甘し（冬りんご）
十一月一五日（日）曇 煮凝をレンジで溶かす今世紀（煮凝）
十一月一六日（月）晴 酸っぱさもほどほどとなるみかん食む（みかん）
十一月一七日（火）曇 大根の生気に満ちて水の朝（大根）
十一月一八日（水）晴 塩鮭の少し焦げてる皮を避け（塩鮭）
十一月一九日（木）晴 小雨降る遅き昼食釜揚うどん（釜揚うどん）
十一月二０日（金）曇 湯豆腐の木綿を選び出汁昆布（湯豆腐）
十一月二一日（土）曇 大根の浅漬け噛めば朝の音（大根）
十一月二二日（日）曇 冬の柿あってなきほど急な坂（冬の柿）
十一月二三日（月）曇（勤労感謝の日）輪の大根四角のはんぺん揚げ三角（大根）
十一月二四日（火）晴 海老を入れ髭の海鮮鍋煮える（海老）
十一月二五日（水）曇/雨 鱈白く煮えて雑炊平らげる（鱈）
十一月二六日（木）雨 牡蠣つつくどこかレトロな洋食屋（牡蠣）
十一月二七日（金）晴 酔えば尚温め酒の涙味（温め酒）
十一月二八日（土）晴 箸に取る旬菜選び山牛蒡（山牛蒡）
十一月二九日（日）曇/晴 鱈鍋の湯気から蓋の鳴きだした（鱈）
十一月三十日（月）曇 文明開化すき焼きは牛肉で（牛肉）
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