十一月 一日（火）雨/曇 秋の雨通りを挟む木々染める
十一月 二日（水）曇/晴 梢より声かん高く小鳥来る
十一月 三日（木）晴 小春日の背に追ってくる雲の影
十一月 四日（金）晴 大輪の月光の花よもすがら
十一月 五日（土）晴 空ひらけ陽に染まりゆく町は秋
十一月 六日（日）晴 飛ぶ鳥の数を数えて冬隣
十一月 七日（月）晴 太陽が向くまま気まま初紅葉
十一月 八日（火）晴/曇 この頃の遅き紅葉の散りいそぐ
十一月 九日（水）雨/曇 朝時雨ほろほろ土へ葉の帰る
十一月 十日（木）曇 冬初め雨粒とどめ葉の残る
十一月一一日（金）曇/晴 散る紅葉風に飛ばされ坂登る
十一月一二日（土）晴 一の酉二の酉数え酉の市
十一月一三日（日）晴/曇 遅くとも燃えて火の色冬紅葉
十一月一四日（月）曇/晴 冬はじめこれから町は黄金色
十一月一五日（火）曇/晴 黄に紅に色ずく衣七五三
十一月一六日（水）曇/晴 濃く淡く朽ちて散るまで柿紅葉
十一月一七日（木）晴 小春日の梢赤黄空の青
十一月一八日（金）晴 晴れた朝そぞろ寒さに湯を沸かす
十一月一九日（土）曇/晴 朝の雨とどまる枯れ葉と地に落ちる
十一月二十日（日）晴 冬紅葉最後のひと葉燃え尽きる
十一月二一日（月）曇/雨 黄に染まり風に飛ばされ銀杏散る
十一月二二日（火）曇/雨 夕時雨心もとなく我家急く
十一月二三日（水）曇/晴 二の酉で終わる今年の日記読む
十一月二四日（木）雪 初雪の傘に綿雲降るように
十一月二五日（金）晴 冬の朝晴れて空色写すビル
十一月二六日（土）曇（齋田記念館吟行会） 竹林奥庭隠し小六月
十一月二七日（日）晴 空曇り両の手に汲む水の冬
十一月二八日（月）晴 山茶花に朝陽の当たる南側
十一月二九日（火）晴 室の花陽の向く方へ首かすげ
十一月三十日（水）曇 親竹に加えて青く竹の春
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