コンサート

子ども向けのコンサートでね。
童謡メドレーとか、トトロとかアンパンマンとか、いろいろでした。
音楽が好きなKouは食い入るように聞いてました。

私は童謡メドレー聴いてると涙が出てきて困りました…。

まだKouが小さかったとき、言葉がなかったとき、
「いっぱい話しかけてあげるように」
と医師から言われていたので、毎日一生懸命語りかけようとしてました。
でもね、毎日毎日、反応のない相手にずっと話しかけるのって、すごく難しいのです。
たとえそれが自分の子どものためでもね。

だから私は、言葉が出てこなくなると、歌を歌っていました。
知ってる限りの童謡を。童謡に飽きると自分の好きな歌を。
反応を返さない子どもに向かって、ひとりで歌っていました。

その頃の胸をふさがれたような苦しさは、童謡のメロディーとどこかつながっていて、今でも童謡をたくさん聞くと胸の奥から沁み出してくるのですね。

今のKouの姿を、その頃の自分に見せてやりたい。
Kouは歌が大好きな子どもに成長して、今や母の知らない歌も歌いますよ、ってね。