華灯り

ウィーンの旅 day 4

クリスマスマーケットから
戻った後、シャワリング(シャワー)して
お味噌汁とビールを飲んで
すぐに眠った。

胃腸風邪…
吐き気や下痢で目が覚める。
時々熱を計ると、38.3℃付近を
ウロウロしている感じで
なかなか下がらない。

娘が隣で寝ているが、
ベッドがちょっとの衝撃
(娘のイビキなど)で
こまごまと揺れる。

なぜ揺れる?
どんなマットレスか!
と、熱の中でベッドを見ても
よくわからない。

寒いので、二重扉を隔てた部屋の
多嘉良を呼んで、多嘉良の掛け布団を
強奪した。
ターチンは暑がりの為、
掛け布団なしで窓まで開けていた。

二重扉。
この向こうが多嘉良の部屋。


多嘉良部屋のベッドも
もちろん揺れる。
揺れると吐き気が激しくなる。

ベッドと壁の隙間に、
汚れないように
大きなビニール袋(日本から持参)を
敷いて掛け布団を敷いて、更に
掛け布団やコートを掛けて
特設会場(寝床)を作った。

薬、体温計、アップルサイダー、水を
枕元に置いてイヤフォンで洋楽や
映画の音声(英語)を聴きながら
ウトウトする。

朝も38.1℃。
多嘉良がホテルドクターに
診て貰うと言っている。

熱があると、飛行機に乗れない。
医師の診断書があると、
飛行機代が戻って来る。

食べないと元気が出ないので、
無理に果物とヨーグルトだけ
食べにビュッフェへ。

食べて、すぐに退散。
オレンジが美味しかった。

レストランスタッフは、
挨拶をしない。

レストランを出る時に、
出入り口に立っていた
男性スタッフに微笑みかけたら
虫やゴミを見るような目で
ジーッと見返して来て、無視。

明らかに目を逸らしました!って様子で
目を逸らす。

めちゃくちゃ具合が悪いので、
「マジで態度わり〜な、何なんだよ。
白人のどこが偉いんだよ。
だったら日本語使ってみろ、難しいぜ」
と、日本語でブツクサ言ってしまった。

はっ!もとい、もとい。
今のナシ。
今のはダレかしら。
嫌だわ、ミー(元夫)のせいね。
はたまた姉(元ヤン)のせいね。
こんなお言葉で話してないわよ、
いつもの私。熱のせい!!

だってさ、本当に申し訳ないのだけど
こっちが礼儀に則った行動をしていても、
アジア人というだけで
人間として見ていないし。
彼らはサービス業として
プロでもない。

お金を介した取引と考えて、
対等な態度ならまだOKだけど
それすら出来ていない。

多嘉良が
日本語でも怒りを表す雰囲気は
伝わるので、どんどん口にしたほうが
良いと言った。
※普段は悪い言葉遣いをすると
叱って来るが…

脱水症状を防ぐ為の
インスタントお味噌汁。
この日、4杯飲んだ。

海外に持ち込む場合、
粉じゃなく味噌ベースの
インスタント食品が良いよ。
アメリカ、オーストラリア、
ニュージーランドが厳しくて
取り上げられたり、罰金を取られたり
するので。
※国により違う

アメリカは、今は怖くて
なかなか行けない国。
アジア人を狙った襲撃
(道を歩いているだけで
殴られたり)があり、
コロナ以降は恐ろしいことに
なっているそう。


熱は下がって来たものの、
ホテルの関連のドクターに
一応診て貰った。

そこでまた、ゴタゴタあり。

詳しく書きたくないけれど、
セクハラ…ドクハラ…いやいやセクハラ…
があり、びっくりしたあまりに
何も言えず。
症状の説明は出来たはずなのだけど。

完全なるセクハラ
だったので、多嘉良に伝えた。

英語とドイツ語で、
多嘉良が抗議した。
医師は頑として認めない。

すると、ナースが
「現場を目撃していた」と
言ってくれた。

そうしたら、医師は
あろうことかナースが
嘘をついていると言う!

係争(訴訟)しましょうか、
って話がスルッと出るので
こりゃまたびっくり。

オーストリアはわからないけど、
ドイツは日常的に裁判を起こす人が
大勢いるようで…。

渉外(外国でのトラブル)には
国際裁判管轄という問題があり、
費用と期間が国内よりも多くかかる。

国内の少額訴訟なら、
多嘉良は自分で手続きしているけど
これは国外の為、専門家の手が必要。

日本人だし、
おとなしいだろうし
面倒臭いから訴えたりしないだろうなと
医師が思っていたことは明白。

蛇のようにしつこい多嘉良。
医師にとっては、相手が悪かったような。

あちらの法律を学んで準備を進めたり、
こっちも勉強になることがあるので
面倒ではあるものの、価値はあると思う。

そして、人種が違うだけで
利益を被ることへの
反撃でもある。

多嘉良が
「お前はここに是正に来ているんだよ」
と言ってくれたので、
嫌なことがあっても
プラスに考えようと、
感情を切り替えるきっかけになった。

多嘉良の精神力の強さは、
ヨーロッパで磨かれた部分が
あるのだろうなと思った。

いつもは、落ち着いて物静かにしている
ターチン。けれど
何かあれば猛攻撃する。
多嘉良は、番犬。


帰りに、空港のスーパーで
食べ物を購入。

レジでまた、悪いことに遭遇。
セルフのレジで商品をスキャンし、
購入したショッピングバッグに品物を
移した。

それからクレジットカードで
支払いしようと、
カードをカードリーダーに
入れようとするも
エラーになる。

カードリーダーは旧式で、
タッチ決済の機能がない。

たくさん買っていたので、
もう1度スキャンするのも
大変だ。
このレジでは、会計が出来ない様子。

ちょっと困っていたら、
後ろに並んでいた白人男性が
「早くしろ」とか
「ちゃんとスキャンしろ」とか
言っている。

言外に、スキャンしていないんじゃないか
大量の商品を盗もうとしているんじゃないか?という疑念を発している。

その人の水色の目を見上げてみると、
意地の悪さに溢れていて気味が悪い。
全然、綺麗じゃない。
色は綺麗でも、魂の濁りで汚い。

この人、こうやって
外国人(私達)に暴言をぶつけて
家に帰って、ご飯を食べて。
そのご飯は果たして美味しいのかしら。

身近な人に、
「アジア人に嫌味を言って来たぜ!」
と息巻いて笑うのか。
この人の家族、いたたまれない
と思うのだけど。
身内にこんな人がいたら、恥ずかしくて
仕方ないわ。

私が「スキャンは済みました。
カード決済が上手く行かないだけです」
と英語で言っても、
薄い唇を変な形に曲げて笑っている。
凄く醜い表情だ。
鏡で見せてあげたいけど、
鏡で見たところでわからないのだろう。

娘も、その人に英語で
「カードで会計を試みている」と言った。
状況を観察しているだけの娘が、珍しい。

娘にも、変な顔で嘲笑して来たので
イライラした。
私に対しては、別に良いんだけど
娘に嫌な対応をするのは許せない。
「ちょっと黙っててよ。
あなた、うざいよ」と
日本語で言った。

あー、イライラする。
この国にいたら性格悪くなるわ。

多嘉良が
「レジスターの故障だ。
何も手伝えないなら口を出すな」
とドイツ語で言ったら、
黙って別のレジに行った。

多嘉良が言い返すと、逃げる。
男女差別もあるのか、
多嘉良が強いのか。
両方だな。

店員さん(めっちゃ手早い女性)が
来てくれて、「こっちでやるね!」
と言っている。

隣のレジを開けて、
全部スキャンし直してくださった。
そのレジでは、あっさりと会計が出来た。


ホテルに戻る。
この空間で、調べ物をして
プリントアウトが出来た。

すれ違っても
挨拶してくれないホテルスタッフが
大多数で、緊張の糸が切れ
泣きながら歩いた。

買って来た果物。

複雑な味のチョコプリン。

これ、驚きのあまりに
撮ったのだが
おにぎりが約1000円だった。
約889円+消費税10%かな。

イチゴやビールは
めっちゃ安い。

ビール。

これまたビール。

色々あったものの、
処方された抗生剤のおかげで
熱は完全に下がったのだった。









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