今年の夏、白河市から西郷村方向へと国道を車で走っていると、山沿いの細い道に男性が倒れているのが見えました。前夜は大雨でしたが、この日は日差しも強かったと記憶しています。急いで戻ると、道路の木陰になった部分に汚れた衣服を着た男性が寝転んでいました。痩せた男性は、私には飢えているように見えました。
男性は「アチコチ歩いて食べ物を探している」と言いました。でも、それ以上は話をしたくないようで迷惑そうに立ち上がり歩き出しました。コンビニを探し、缶詰やパンなどを買い、国道を歩く男性に渡そうとしましたが、キッパリと拒絶されました。何度お願いしても受け取ってもらうことはできず、飢えた男性の激しい拒絶に、ただただ涙が流れました。
あの男性は、この冬を越すことができるのでしょうか。
先日の12月6日早朝、白河市内でコンビニ強盗事件がありました。現金6万円を奪い逃走中の犯人は、若い男性だそうです。貧困が広がる中、このような事件が全国で増えているようです。
「仕事がない」「仕事が欲しい」という相談を受けますが、現在の白河では介護の仕事もないそうです。政府は早急に雇用創出をしてほしい。
こんな中、「反貧困ネットワークふくしま」では、「派遣村」を実施するそうです。白河市も含めた県内9ヶ所で開催するとのことで、当会もお手伝いができればと考え、早速事務局に連絡をさせていただきました。当日は生活相談と炊き出しを行うとのこと(場所は未定)。
2年前、私たちは東京山谷に行き、路上生活者の炊き出しを長年行っているキリスト教山谷伝道所の方々にお話を伺いました。この時、すでにネットカフェ難民の最終地点が路上生活者の多い山谷などであると聞きました。伝道所では、毎回約3百人分のお粥を用意されているそうです。また社会鍋で有名な救世軍では、東京大手町で毎週カレーを配るそうです。こちらは約4百人分だそうです。
伝道所さんで配布するお粥は、薄いものだそうです。それでも、何時間も待つ人がいる。救世軍では、30分前から券を配るそうです。この日本に、薄いお粥を食べるために何時間も待つ人がいることを知っている人は何人いるのでしょうか。山谷では、道端に人が転がっていました。初めて見る光景にただただ驚いたことを覚えています。