神社を訪れると必ず迎えてくれるのが石造の狛犬です。全ての神社に備わっているというわけではないのですが、地域の氏子が管理するような神社では必ず出会います。江戸時代の終わり頃から現在まで、次々と奉納されたものが、多数存在している場合もあります。屋外で風雨にさらされる場所に設置されるため、劣化は避けられません。古い石像は、新しいものに置き換えられてしまうことはよくあります。しかし、江戸時代の古いものが大切に守られている神社も多いです。そこで、気づいたのが阿吽の造形の違いです。現在のものでは、阿吽ともに獅子形のものが多く、吽形の頭上に角はありません。しかし、江戸時代のものは、阿形の獅子と吽形の狛犬の伝統を守って、吽形に角を持つのが普通のようです。そして、いつからか阿吽の一対を雌雄の一対とする表現が始まったようです。江戸時代の狛犬では、阿形の狛犬に雄性を示す造形が加わるようになりました。岩戸神社の狛犬も、注意深く観察すれば気づきます。寛政八年はかなり古い方になります。
30秒の心象風景27360・雄性の表現~岩戸神社狛犬~
https://youtu.be/4REWsDf8hhY