水を張った水田には穂を出し始めた稲が葉を広げ、全体が緑の茂みのようになっている。その株の根もとに小さな白い花が見えた。オモダカの花である。オモダカとはおもしろい名前だ。オモダカ(沢瀉・澤瀉・面高)は、オモダカ科の水生植物で、ハナグワイ、サンカクグサ、イモグサ、オトゲナシなど多くの別名があるらしい。オモダカの語源は、人の顔に似た葉を高く伸ばしている様子を指して「面高」とされたと聞いたことがある。しかし、葉の形を見ても人の顔のようには思えない。他に、中国語で湿地を意味する涵澤(オムダク)からとられたとも言われているらしい。水田に繁茂する雑草として知られていて、駆除される対象になっている。ところがオモダカの栽培変種であるクワイは、塊茎が肥大化して食用となるため栽培され、おせち料理などに利用されている。稲の育つ水田で、水面から茎を伸ばし、その先に白い花咲かせているオモダカはかわいらしい。農家にとっはやっかいな雑草なのだろうが、里山を彩る魅力的な風景である。

30秒の心象風景7677・稲の株の脇に~オモダカ~
https://youtu.be/TzlQAeQ91DQ

30秒の心象風景7677・稲の株の脇に~オモダカ~
https://youtu.be/TzlQAeQ91DQ