めぐる時間
大地が 蝶を生みだす
樹木の花花を咲かせる
さまざまな季節が
沈黙のなかから現れて
沈黙のなかに消えていく
無限にいのちをはぐくむ大地
野の花 鳥のこえにも
いのちの時間の奥行きがある
めぐる時間
朝をつくり 夜をつくり
歳月をつくる
出会いのあとには別れがあり
別れのあとには
新しい出会いが待っている
変化していく周囲の世界
ぼくらの生活のひとときにも
いのちの時間の輝きがある
めぐる時間
太陽がつくる日時計の影
さらさら落ちる砂時計の砂
さまざまないのちが
大地の一隅から生まれて
大地の一隅に帰っていく
無限にくりかえすいのちのドラマ
すべては昨日と似ているが
同じ瞬間はふたたびこない