おどるなつこ 「あしおとがきこえる?」

タップダンサー・振付家おどるなつこの日常から浮かびあがることばを束縛せず書きとめています。2005年開設。

不条理のリアル

2020-04-14 | あしもとからの思索
昨日、通りすがりで野蕗の群生をみかけ、向かいの斜面に真竹の筍も見つけて収穫。棒切れで掘ってる悪人顔。笑!
春は野草でいろいろご馳走が作れて嬉しい。



しかし夕方、あまりにも表現者を凌辱したツイートを見かけ、ひどい、と思った後からじょじょに気力を奪われてしまった。まさか、まさか、権力者がこのようにアートを便利にタダでプロパガンダに使ってしまうのか...
どんよりついでに今日は一帯が朝から停電。PC仕事も諦め、古い書類の整理。ビシャビシャと降る雨、横殴りの風の中、消防車のサイレンが響いている。

この自粛で、ほぼムスメとネコとしかコミュニケーションがなく、ただでさえ弱い会話能力が完全に落ち込んできたので、戯曲でも読もうか、ということになった。
「ゴドーを待ちながら」“ゴドーはどこにいるんだい?わかりません。 君はゴドーかね?ちがいます。 もういこう。だめだよ。なぜさ?ゴドーを待つんだ。ああそうか。”
いくつかの台詞で、ゴドーのところをコロナと言い替えて超爆笑。不条理のリアル。これ、会話能力は上がらないんじゃない?コーヒーを焙煎しながら笑うばかり。

”なにも、それだって最悪の事態じゃないさ、もちろん。 それってなにが?  考えてしまったということだ。”



”ダンスで身近な社会を変える試み“を始めて、今年10年目を迎えた。
お金になるわけでもダンス界から評価を受けるわけでもないこの活動だが、価値を認めてくれた方々があり2017〜2019の3年間さまざまな助力を得て、障害のあるタップメンバーたちと世界を広げて、既存の価値観を変えていくことに力を注いでいた。

メール連絡で意思疎通できる人はむしろ少なく、ひらがなのお手紙と対面で信頼関係を紡ぎあい、この3年で他者に提供できる形に育ててきた。メンバーひとりひとりがどれほど成長したか!障害福祉の枠内では出会えない社会体験を重ねるなかで、言語力やコミュニケーション力は見違えたし、障害のない平均的なスタッフたちも、福祉に関しての考えが変わっていった。関わったみんなが、タップを通して、知り合った。
気づけば「アート×福祉」のさまざまなノウハウを全員が蓄積していた。
今年、大きく花開くはずのこと、たくさんあったのにな。

少しづつ気持ちを開いて、さあ新たなことに挑戦してみよう!というタイミングを逸したことが、とても残念。
モチベーションをキープし続けるには、継続した機会が必要だけれど。自分ではネットを使わないメンバーが大半だ。

私は、ひとりでできることをするしかないとしても、うーん。画面越し、届いてる?
これまでの上には、もうなにも積み重ならないのかもしれないな。

高度な滑稽かぁ、日々リアルだ。。。


Wikipediaより抜粋
不条理とは:人による世界の意味の追求と、世界の明らかな意味のなさ、の不調和によって生じる高度の滑稽。
不条理との付き合い方:①自殺②盲信③不条理を受け入れて生きる









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