おどるなつこ 「あしおとがきこえる?」

タップダンサー・振付家おどるなつこの日常から浮かびあがることばを束縛せず書きとめています。2005年開設。

タップシューズ考/Gregory Hines: Tap Dance In America

2020-06-23 | おすすめ!
私のタップシューズは、2足のハイヒール以外どれもカペジオのK360という型のシューズ。一番古い黒シューズはもう25年目になる。タップ歴1年だった25年前に、ひと月ぐらい滞在したNYではなく、帰国してから初期BASEMENTさんで購入した。アパートの家賃にするはずのお金を持って、かなり思い切って買った記憶がある。

私の出したい音のイメージは、コクのある軽い音。革や塗装によって音は少しづつ違うのだが、どの靴もほぼ同じ加工にしている。4〜6ミリビルドアップ(厚底)して、タップスは2番(少し小さめ)、黒ボード(金属と革の間に挟む紙っぽい素材)、密着付。厚底にすることで靴は重くなり、コクが出る。黒ボード以外に金属ボードやボードなしにもできるが、私は黒ボード密着付の音が気に入っている。


密着付とは、履いているうちにネジが緩まない加工だが、タイトな音になる。通常のネジ留めだと、経年でネジが緩みチャリチャリした音になるのだ。
でも、今は観られるようになった古い映像の中で、タップマスターたちが「タップスの取付がタイトすぎる」と言っておる。「少しルーズな方がいいよ」とか。YouTube のコメントにまで「古き良きチャリチャリしたタップシューズははかないの?」ときた。

以下の映像の中でも、先輩のサンドマンがタップスのネジを締めなおしているグレゴリーにルーズにすることを勧めて、やんわりきっぱり断られている。

Gregory Hines: Tap Dance In America1989

それにしても、こんなモノがYouTubeでみられるなんてなー。31年前、まだ私はタップを始めていない。始めたのちもこのビデオは回ってこなかったな。
タップをアートに押し上げていった第一世代、敬愛する第二世代、貴重だし楽しいので、よかったらぜひどうぞ!


ということで、気になっていたタップスのルーズな取付をBASEMENTさんに依頼しました。上記の映像でも出演するダイアン・ウォーカーにちなみ「ダイアンルース」という加工名がついています。
K360ではなく、長らくソフトシューズとして履いていた別メーカーの軽いシューズに取付依頼。今朝届き、さっそく履いてみたのですが、第一世代のマスターたちが、こちらを薦めるワケがわかりました。音がチリチリと華やかに大きく響くのです!
初期のマスターたちは子どもの頃から旅公演でバンドと共演されていました。タップにマイクがセットされるようになるのはいつ頃なのか。タップ板にこだわれるようになるのはいつからなのか。なるほどなー。増幅効果もあったのだろうなぁ。

美しい音にするには、リズムの余白多目なフレーズにし、かなり軽めに扱うのが良さそうだなぁ。あと、音の拡散しやすい大道芸の時に、この音はかなり強みになる感じ。

試しに録画したので、水曜日にこちらで公開の予定です。初下ろしです!





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