その他ニュース
欧米で新型コロナウイルスの感染拡大を機に不動産の需要が急減し、拡大を続けてきた住宅ローン市場が頭打ちとなる懸念が出てきた。主要都市のロックダウン(封鎖)は解除されつつあるが、不動産の需要がすぐに「コロナ前」に回復する可能性は極めて低い。ローンの焦げ付きなどの問題が広がれば、欧米の銀行は新たな危機に直面することになる。欧州で特に状況が厳しいのが、コロナ禍が深刻で雇用不安が広がる南欧だ。「不動産市況の拡大シナリオは今後数カ月で急変する」。イタリア中銀は4月の金融安定報告で異例の警告を出した。予兆はある。南欧の不振で3月のユーロ圏全体の住宅ローン残高はすでに前月比でマイナスに転じた。欧州中央銀行(ECB)の調査では、多くの銀行がさらに4~6月期のローン契約減少を見込む。欧州勢の中で一見、好調なのはドイツだ。ドイツ連邦銀行によると、3月の新規住宅ローンは前月比2割増。だが、ドイツ銀行の不動産担当シニアエコノミスト、ヨッヘン・メーベルト氏は「ロックダウンを見越した駆け込み需要が膨らんだだけ」と断言する。商談中の人が慌ててサインしただけだから数カ月以内に「大きな反動減」に見舞われるという。
好景気と低金利でドイツの住宅価格は過去10年で1.5倍に膨らんだ。右肩上がりを信じてますます買い手が増え価格を押し上げる――。そんな「不動産神話」が崩れようとしている。市民の生活スタイルの変化も負担になる。在宅勤務の浸透は、需要が集中していた大都市離れにつながる可能性もある。危ういのは政府による支援に大きな期待ができないこと。「ECBは財政ファイナンスに近づき、財政赤字に転落したドイツに余力はない」(独連邦議会の金融市場委員会の座長としてユーロ危機で奔走した自由民主党のトンカー議員)。伊ルイス大のマルチェロ・メッソーリ教授も警鐘を鳴らす。「イタリアの借金が2021年半ばに国内総生産(GDP)比で160%に達し、債務危機が再燃しかねない」。伊国債を大量に持つ欧州銀には大きなリスクだ。(*日経 記事より)
その他ニュース(05/26_夕) | ||||||||
国際 | ||||||||
企業 | ||||||||
IT科学 | ||||||||
国内 | ||||||||
市場 | ||||||||
その他 |