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「ファクリザデという名前を覚えておいてください」--。 イスラエルのネタニヤフ首相は2018年4月、イランによる核開発の秘密計画を明らかにしたかなり感情的、攻撃的な演説の中でこう語った。
今や中東で彼の名前を忘れる者はいないだろう。イランの著名な核科学者モフセン・ファクリザデ氏は11月27日午後、首都テヘラン近郊で武装集団に待ち伏せされ殺害された。中でもイランの人々は、今年1月にイラクの首都バグダッドの空港で米軍のミサイル攻撃を受け殺害されたイラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」を率いていたソレイマニ司令官と並んで、この核科学者の名前を決して忘れないだろう。ファクリザデ氏の殺害は、米国というよりイスラエルが実行させたのだろう。10~12年の間にもファクリザデ氏の下で働くイランの核科学者が4人殺害された。これらの事件もイスラエルの仕業(見方を変えれば手柄)というのが大方の見立てだ。( 以下 小見出しと 文末 原文を)
●バイデン氏の中東政策阻止が意図
●イランとの対立はこれまで水面下だったが
●試されるイランの戦略的忍耐
バイデン次期政権は、中東政策を運営する上で地雷原を縫って進まねばならない。課題はオバマ氏が取りつけた核合意への復帰だけではない。ソレイマニ氏が残した民兵組織(編集注、レバノンのシーア派武装組織ヒズボラやイエメン内戦でサウジ軍と戦うシーア派武装組織フーシ派など)はミサイル武装しており、イランとカスピ海から地中海へと続く「シーア派の三日月地帯」を形成している。これにどう対処するかも難しい。だが経済的苦境にあるイランが中東の脆弱な国々をまとめていくには、近隣諸国のみならず世界全体と良好な関係を築かざるを得ない。イラクやシリア、レバノン、イエメンはいずれも新型コロナウイルスの感染拡大がもたらす経済的打撃よりもはるかに悲惨な経済状態にある。イランとその前身のペルシャは戦略的忍耐で知られてきた。それが今から試されることになる。
(*日経 FT 記事より)写真:イランの著名核科学者ファクリザデ氏が殺害されたことで敵対するイスラエルやサウジ、米国との対立は一気に深まっている=ロイター
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