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新型コロナウイルス禍で急ブレーキがかかった世界経済。激しく浮き沈みする景気の動向は集計に時間のかかる旧来の公的統計だけではつかみきれない。スマートフォンの位置情報、オンライン求人情報といったリアルタイムのデータや現場の声からは、急収縮後の回復の足取りの重さが浮かぶ。米国は4~6月期の実質国内総生産(GDP)が前期比年率換算で32.9%減と、記録の残る1947年以降で最悪の落ち込みになった。7月以降のV字回復を見込む楽観論はダラス連銀が算出するオルタナティブ(代替)データの一つである「社会的距離指数」をみると怪しくなる。指数はモバイルデータを用いて自宅や外出先での滞在時間などからはじき、人の移動の活発さを示す。経済の裾野を支える中小企業の活動と連動性がある。
コロナ前の1~2月の平均値と比べ、4月は9割以上も下がった。足元は地域差が出てきた。日系の製造業などが多く立地するオハイオ州やインディアナ州はマイナス幅が3割台まで縮んだ。新規感染者数が高止まりするカリフォルニア州やテキサス州は7月下旬になっても5割前後の落ち込みが続き、全米の経済回復の重荷になっている。グローバル経済は人の自由な往来によって発展してきた。その前提が移動制限や外出自粛で根本から揺らいだ。(中略)
2008年のリーマン・ショックの後、巨額の財政出動で世界の景気を支えた中国にもかつてのような勢いはない。7月半ば、河北省燕郊の衣料品卸売市場は人影がまばらだった。ある店主は「売り上げはコロナ前の3分の1にも届かない」と嘆く。コロナの最初の流行国となり、強力な封じ込め策でいち早く経済の再開にこぎ着けはした。それでも完全復調は遠い。貿易の先行指標とされる寧波輸出コンテナ価格指数は、4月中下旬に底入れした後も急上昇とはいかなかった。7月下旬でもコロナ前のピークの8割ほどの水準だった。景気持ち直しの糸口を対中貿易に探る各国も明るい展望は描けない。
世界の感染者の増加は歯止めがかからずヒトとモノの動きにはなお制約がある。危機前と同じ水準の需要は当面見込みにくい。春先にあったコロナ禍早期収束の楽観論は後退した。ビジネスも暮らしも新常態への適応力が試される。感染対策を前提にした新たな回復の道筋を探る必要がある。(*日経 記事より グラフも)
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