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米国で所得の高い層を対象にした富裕税の議論が活発になっている。医療制度改革などの財源対策として導入を主張してきた民主党大統領候補指名をめざすエリザベス・ウォーレン上院議員の支持率が高まってきたためだ。貧富の格差が拡大し、貧しい層で十分な医療、教育が受けにくいといった弊害が目立っていることが背景にある。自由主義色が濃い経済運営を続けてきた米国での社会主義的な政策論の台頭は、日欧の経済政策にも影響を与えそうだ。(中略)富裕税構想に対し、一部富裕層からの支持もある。6月にジョージ・ソロス氏など富裕層19人が「米国はモラル、倫理、経済的理由から、我々の富にもっと課税する責任がある」との意見書を出している。背景には近年、格差の拡大に起因するとみられる社会のゆがみも目立ってきたことがある。米調査会社ギャロップが最近明らかにした調査結果によると、必要な治療費を支払えないため家族や友人が5年以内に亡くなったことを知っている人の比率が13.4%にのぼる。教育に関しては大学の入学・授業料が高くなり、富裕層を除く多くの層出身の大学生が多額の教育ローンを抱えて卒業していくことが社会問題になっている。人権保護や国の競争力維持の観点から、一部左派の主張にはとどまらない広がりを見せているのは事実だ。(中略)米国が実際に、富裕税を導入するかどうかは、導入熱の今後の高まりや、民主党大統領候補選挙、大統領選挙などにかかっている。財産税的な富裕税導入には、富の把握の難しさや、財産権、憲法との兼ね合いなど課題が多く、実現は簡単ではない。とはいえ自由主義色が強かった米国での富裕税導入論の台頭は、導入が低調になっていた欧州や日本での議論に影響を及ぼしそうだ。(中略)日本では国税庁が、富裕層の海外口座を利用した税逃れ対策の強化に動いている。所得の低い人の負担が重くなる逆進性が指摘される消費税率が引き上げられたこともあり、徴税の公平性を確保する狙いがある。日本でも米国同様に教育などの格差の拡大が社会問題として扱われるケースが増えており、富裕層への課税強化を求める声が強まる可能性はある。(日経 記事より)
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04_*格差拡大が促す富裕税導入論 米大統領選の争点に | ||||||||
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