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米ウーバー・テクノロジーズの自動運転車両が2018年に起こした歩行者死亡事故について、米運輸安全委員会(NTSB)が19年11月5日に調査報告書を公表した。(中略)本質的な原因は設計の欠陥にあると報告書は指摘した。報告書からは、自動運転の開発では「判断系」を作り込むことの難しさがうかがえる。(中略)この自動運転車両では、高性能センサーのLiDAR(ライダー)やレーダー、全方位カメラで周囲の物体を検出し、その移動方向と速度から物体を「自動車」「自転車」「歩行者」「その他」に分類していた。自動運転車両のADSは、歩行者との衝突の5.6秒前に初めてレーダーによって歩行者を検出していた。ただし、この時点では「自動車」に分類していた。加えて、自動運転車両の左斜め前方に位置していたことから、衝突の危険性も無いと判断していた。その後も継続的に歩行者を検出しているが、そのたびに「自動車」「自転車」「その他」のいずれかに分類しており、「歩行者」に分類することは無かった。移動方向についても、「(自動運転車両が走行している車線の)左側車線を走行」あるいは「静止」と推定していた。しかし、実際には歩行者は自動運転車両の進路を遮るように道路を横断していた。ADSが歩行者との衝突の危険性を認識したのは、衝突のわずか1.2秒前である。この時点でも分類は「自転車」であり「歩行者」ではなかったが、自動運転車両の進路上で検出したことから衝突の危険性を認識。危険回避に向けたシステムを動作させた。衝突の0.2秒前には警報で車内のテストドライバーに危険を知らせたが、ドライバーは動画を視聴していて前方から目を離していたこともあり、実際にドライバーによってブレーキが操作されたのは衝突の0.7秒後だった。(中略)かつて、トヨタ自動車はブレーキの「不具合」によってハイブリッド車「プリウス」の大量リコールを余儀なくされた。その「不具合」は極めて限定的な状況で発生するものであり、それ故に自動車におけるソフトウエアの複雑化を象徴していた。現在、自動運転技術の開発を進めている各社が直面しているのは、それよりもはるかに多様な状況を想定しなければならない判断系の作り込みである。ウーバーATGの事故は同社の杜撰(ずさん)さを露呈させただけではなく、自動運転技術の開発がそう簡単なものではないという厳しい現実を世界に突き付けたのかもしれない。(日経 xTECH 日経 記事より)
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