
2020/8/10 | から | 2020/8/14 | 記入日 | 2020/8/8 | |||||||||||||||||||||
1.来週の見通し | |||||||||||||||||||||||||
ドル/円 | 104.00 | ~ | 107.00 |
コロナ感染者数の増加が東京だけでなく地方都市にも拡大、経済活動や休校を止むなくされていた学校の授業再開に悩ましい状況となっている。政府は経済との両にらみで、緊急事態宣言といった方向には動いていない。しかしながら、地方自治体によっては、独自の警戒警報を発する等、感染拡大への懸念が高い。ワクチン開発への期待は高いものの年内での接種・普及は苦しいのではないか、来週の景気指標発表の内容にくわえ、コロナ禍の拡大対策の一段強化の可能性といった(7月末のような)不測の事態への警戒が必要ではなかろうか。
ユーロ/円 | 123.50 | ~ | 127.00 |
昨今のユーロ高は、あたかも民主党政権時代の日本の円高のようだ。官製の反日デモで、中国と距離を置かざるを得なかった日本企業と異なり、積極的に中国共産党に接近し、一帯一路を契機に経済利益を得ようとしていた多くの欧州企業・政治家にとっては、米ソ冷戦初期のマッカーシズムに似た米国の動きは致命的打撃となる可能性もある。サプライチェーンの観点だけでなく、販売する地域にその生産拠点をもち、その地域の雇用に貢献しないと生き残れないという、ドイツ自動車産業にとっては致命的な改革が必要となる可能性もあるが、マネーゲーム原資のユーロはおかまいなくユーロ高にむかい、容赦なく構造改革を迫るのであろうか。
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2.先週の動き |
先週は主要企業の6月期決算発表があった。コロナ禍で観光や航空産業を中心に業績が悪化する企業が多い中、在宅勤務等で「巣ごもり」需要に沸くハイテク株が業績を大きく伸ばし、米株ではアップル、アマゾン、フェイスブック、マイクロソフト。日本株では任天堂、スクエニ、カプコンといったゲーム株(意外なところではキッコーマン・味の素)が好業績で値をのばした。注目されたトヨタは、底堅く業績を固めており、EVで、中国での生産販売が絶好調のテスラとは対照的ではあるが、ホンダや日産が業績低迷に苦しむ一方で、売り上げが伸びないながらも堅実な企業努力をみせている。トランプ政権は領事館閉鎖に続き週末には香港行政長官も含め11人の中国高官を制裁対象に。制裁内容はビンラディン等のテロリストとおなじである。コロナ禍で貿易や通商どころでない現状では、株価や為替相場への大きな変動要因とはなっていないが、この反中国共産党の世論が米ソ冷戦初期のマッカーシズム同様、米国内(西側諸国内)の裏切り者への制裁と動く可能性がある。すでに名前があがっているアップル・ディスニーだけでなく、テスラ・マイクロソフトや、中国共産党寄りとされる企業・政治家への攻撃へと進む可能性も高い。反中国共産党の米国内世論の進展には注意が必要だろう。攻撃を受けるかどうかは、米国企業といえど米国の雇用にどれだけ貢献しているかが大きなファクターとなるのではなかろうか。為替は、週半ばまではユーロが上昇、対ドルでは1.1755-1.1916 対円では124.00-125.58で、週末にかけて売られて124.81/1.1783近辺での越週。円もそれにつれたが週中レンジは105.31-106.47とせまく、引けは105.90近辺であった。日本株は先週末のパニック売りの影響は限定的で、週初から22000円台を回復、ただ、さえない業績に上値も重い展開となり、ハイテク株(ナスダック)が牽引する米国株には差をつけられた印象。高値22603、安値21919、引けは22329. NYダウは高値27456、安値26534 引けは27433 であった。
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