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大きな足跡を残したリーダーの後任は気の毒だ。何かと前任者と比べられ、ふつうの成果を上げても辛口の評価をされかねない。
外交において、菅義偉首相はそんな宿命にある。世界中の首脳と太い人脈を築き、国際政治を切り盛りした安倍晋三前首相を引き継ぐのは大変だ。菅首相は今のところ、そつなく慣らし運転をしている。10月下旬にベトナムとインドネシアを歴訪し、「自由で開かれたインド太平洋」の実現を呼びかけた。11月17日にはモリソン・オーストラリア首相を迎え、自衛隊と豪州軍が連携しやすくなる「円滑化協定」の大枠もまとめた。両国を準同盟に近づける成果である。菅首相は外交について、独自の方針をあまり発信していない。だが、周辺には次のような趣旨の意向をそっと明かしている。
▼少なくとも1年間は、安倍外交をそのまま継承していく。
▼個々の政策については、まず側近や官僚から、積極的に知恵と提案を出させる。
▼そのうえで、重要政策は自分が判断を下す。
賢明な方針だ。「うまくいっているときは何も変えるな」という言葉があるように、安倍外交の踏襲が成功の前提となる。とはいえ、来年1月下旬には米国にバイデン政権が生まれ、国際政治が大きく動きだす。安倍外交の継承だけでは、乗り切れない局面がいずれやってくる。その際、菅外交に潜む強さともろさとは何か。あらかじめ考え、死角を埋める努力をしておくことが大切なように思う。官房長官時代には強権と批判を浴びながらも普天間移設を進めた。国内ではあまり知られていないが、米政府内では「菅氏は約束を守る政治家」という評価がある。(*ただ、国際政治を乗り切るには、これだけでは十分ではない。菅外交を待っているのはまさに、リーダーの世界観が問われる大乱世だからである。
周辺の話を総合すると、菅首相の強さは各省庁を掌握し、政策を実行していく仕事力だ。政界の権力闘争で鍛えられた政治の嗅覚も、外交には生きる。経済上は中国も大事だが、まずは日米同盟が絶対だ。ここを揺るがしてはいけない――。菅首相には、こんな戦略本能が染みついているという。 以下略 原文を
(*日経 記事より 表も)童子追記:必要なのは「信念」損得勘定ではない。だが、生き残らないとはじまらない。
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