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(写真:世界の秩序が安定したのは第2次大戦の終わりが近い1944年、米ブレトンウッズのホテルで連合国が新体制に合意してからだ=ロイター)新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)を巡る地政学的な勝者がどこの国かを決めるのは悪趣味というものだろう。救いは、勝者に値する国など存在しない点だ。最近、何か行動を起こしたり、何かを成し遂げて尊敬を勝ち得たりした大国は見当たらない。米国からは今回の危機に対し、「ブレトンウッズ体制」や「砂漠の嵐作戦(編集注、1991年の湾岸戦争で集中的な空爆により短期間で停戦に持ち込んだ、米国が策定した多国籍軍の作戦)」のような提案はない。かくして同盟国に一致団結して対応を促す兆しもない。たとえトランプ米大統領にそうしたいという思いがあったとしても、彼にその手腕はない。11月の大統領選挙後、米国は新たな大統領の下で覇権国としての指導力を取り戻すだろうと期待するのは間違いだ。もはや米国の問題は、トランプ氏という1人の人物にとどまらず、深く分断しているためだ。(以下小見出しと 末尾部分)■外交力をもはや失った米国と信頼失った中国■"第2の冷戦"という発想は捨て去るべき■恐れるべきは予測不能な無秩序の時代この暫定的な状態は、支配的な権力が存在しないがゆえに不安に満ちている。そこで思い浮かぶのが、恐ろしい第2次大戦を招くことになった1930年代だ。パックス・ブリタニカ(大英帝国支配下での平和な時代)の終焉(しゅうえん)に近づく一方で、米国もソ連もまだ英国の地位を奪うほどの存在ではなかった時代だ。その後に到来した冷戦時代は苦難に満ちたものだったが、それでも当時の世界は無秩序な30年代に比べ、ある程度予測可能だった。我々が今、再び冷戦の時代にいると考えるのは誤りだ。今回の感染危機は、冷戦に近いというよりも30年代に近いとみた方がいい。何もない空白を恐れる恐怖は、古くからある美術の原理の一つだ。それは絵画に白い部分を残す発想を否定する。しかし、歴史はそんな選択も許さない。歴史はときに空白を出現させる。今回その空白を埋めるのが、以前のような全くの無秩序なのか、それを見極めていくのが我々の責務だろう。(* 日経 FT 記事より)
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