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SNS(交流サイト)の普及が伝統的な株式市場の構造を変えている。米SNSのレディットを起点に繰り広げられた米個別株の乱高下は、個人が集団で動けば機関投資家であるヘッジファンドも打ち負かせることを示した。意図的な株価のつり上げを禁じる規制はこうした事態を想定しておらず、SNS時代の新たなルールづくりが急務だ。
レディットを舞台に米国市場で起きた「ショート・スクイーズ(空売りの締め上げ)」は、株式市場では古くから存在する古典的な手法だ。
株を空売りした投資家は意図に反して株価が大きく上がると、空売り用に借りた株を返すために損失覚悟の買い戻しを迫られる。空売りで被る損失は理論上は無限大だから、空売り勢は株価上昇に過敏に反応する。それを狙い、資金力を武器に空売りの多い銘柄を力ずくで買い上げる手法だ。
これまでこの古典的な手法が活用されてきたのは、プロ対プロの機関投資家の世界だ。今回はアマチュアの個人投資家らが、機関投資家のヘッジファンドを締め上げて買い戻しに追い込んだという点で極めて新しい。
中略
SNSの掲示板というネット上で誰もがみられる公開の場で個人が「ゲームストップ株を全員で買え」「ヘッジファンドを締め上げろ」と呼びかける行動が、違法な相場操縦にあたるのかの判断は難しい。専門家からも、SNSで虚偽の情報を意図的に流しているわけでもなく、明らかに共謀して株価をつり上げているわけでもない場合、取り締まるのは難しいとの指摘が出ている。個人にヘッジファンドを打ち負かす力を与えたのは、株式市場に最近訪れた2つの変革だ。
中略
SNSの普及は投資家層を広げるのに寄与したが、悪用される危うさも持つ。ルール整備に向けて当局を含めた市場関係者が知恵を絞る必要がある。
原文をお読みください (* 日経 記事より)写真:米個人がSNSのレディットで呼びかけ合ってゲームストップ株などを買い上げた=ロイター
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